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有機ELテレビ「AIE」
有機ELテレビ「AIE」
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スーパーウーファーは背面スタンドと一体
スーパーウーファーは背面スタンドと一体
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これがアクチュエーター
これがアクチュエーター
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 かつて「NXT」という、アクチュエーター(駆動素子)で平面板を振動させて音を出すスピーカーがあった。上品だがいまひとつ線が細く、迫力がない音だった。しかし、ソニーが「CES 2017」で発表した有機ELテレビ「AIE」は違う。パネル(画面)が直に振動させて出す音は、かなりの迫力だ。

 筆者の印象は後述するとして、ソニーの有機ELテレビは決して「画質命」ではない。有機ELというと、全力で画質にこだわるのが、有機ELを手掛けるメーカーの絵づくりの通例だ。しかし、ソニーは主に性能的な理由により、画質には突っ込まない。ソニーにおける画質命は、「Backlight Master Drive」搭載の液晶テレビ「Z9D」だ。筆者もZ9Dの説明会で、いかに有機ELより画質が優れているか、何回も聞かされた。

 では、画質命の他にどんな展開があるか。それは、有機ELデバイスの特長を活かしたスタイルや視聴体験を提案すること、映像そのものが浮かんでいて、そこに良い音もマッチした体験を有機ELで提供することであった。そうであるなら、これまでの液晶と違う価値感を訴えなければならない。

 ソニーが狙ったのは「音像と画像の一致」だ。これまでのテレビで音は大きな問題だった。ブラウン管時代はキャビネット容積が大きかったから、それなりに良い音だった。しかし、薄型テレビになるとスピーカーの置き場所がほとんどなくなり、音質は劇的に劣化。それではいけないと、ソニーは数年前にテレビ本体の横に大きなスピーカーを付けたが、海外ではまったく売れなかった。しかし、本体の下側にスピーカーを付けると、劣音質もさることながら、音像と画像がバラバラになる。

 これらの問題を実にスマートに解決したのが、有機ELパネルそのものを振動させ、画面から音が直接出力する「アコースティックサーフェス」(ソニーの名称)だ。韓国LG Display社が「Crystal Sound OLED」として提案していた技術を、ソニー流にアレンジした。これなら映画館のサウンドスクリーンと同じように、しゃべっている人の口から音を出せる。