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有機ELパネルの背面の板に、左右に2基ずつのアクチュエーターユニットを取り付ける
有機ELパネルの背面の板に、左右に2基ずつのアクチュエーターユニットを取り付ける
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アコースティックサーフェス構造で、音が発生する様子(1)
アコースティックサーフェス構造で、音が発生する様子(1)
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アコースティックサーフェス構造で、音が発生する様子(2)
アコースティックサーフェス構造で、音が発生する様子(2)
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 有機ELパネル背面に板を置き、そこに左右に2基ずつのアクチュエーターユニットを取り付ける。その振動は、バックカバーを始点として、伝達用のポールで前面の有機ELパネルに到達し、パネルを揺らすのだ。アクチュエーターは左右2基だが、それぞれエリア中央ではなく中央からやや上に取り付けられている。中央に置くと定在波が発生し、ひずみが出るからという。このあたりはソニーならではの音響的ノウハウだ。担当者が説明する。

 「ソニーのテレビ部隊にはスピーカーのエンジニアも、キャビネットの技術者もいます。色々な製品を作ってきた経験も持っています。だからターゲットとする音が明確になれば、それを実現する力が十分にあります。とはいえ、スピーカーエンジニアだけではアコースティックサーフェスの実現は不可能でです。パネルのエンジニア、インテグレーションのエンジニアがそろって初めて実現可能になりました。対象がパネルという四角いデバイスであり、しかもガラス素材をどうやって振動させて均一な音を作るのかが大変でした。そこではガラススピーカーの『サウンティーナ』の経験が役に立ちました。あのスピーカーはガラスを振るわせて、しっかりとした音にまとめ上げていました」。

 確かにガラスには、ガラス固有の音がある。その“鳴き”を抑えるのでなく、うまく“利用”するのが、アコースティックサーフェスの肝なのだ。LG Display社の「Crystal Sound OLED」仕様では、ガラスだけで全帯域を再生する版と、スーパーウーファーが必要な版があるが、ソニーは後者にしている。そのスーパーウーファーは背面スタンドに一体となり、ここに電源やHDMI部が来る。

 担当者は「これをやりたかったから、有機ELを採用したというのが本音」という。ではなぜ、それが有機ELならではの特別仕様なのかというと、液晶テレビではバックライトに穴を開けるわけにはいかないからだ。有機ELなら「音像と画像の一致」をテーマにできる! このことを思いついた時点から、ソニーの新しい有機EL時代が始まったのである。

 意外に音が良い。決してか細くなく、堂々とした厚みのある音だ。くっきりとした解像感もある。特に驚いたのは、画像と音像が一致するのは当然として、画像の動きに音像がぴったりとシンクロすることだ。画面を鳥が横切る映像デモンストレーションでは、羽ばたき音が、映像と合わせて横に移動するではないか。音の位置は心理的にそう聞こえる側面もあるが、物理的にも端にいる鳥から声が出ている部分もある。アクチュエーターは中央近くにあるのに、なぜなのか。

 いずれにせよ、映像と音像の一致は、これからのホームエンターテイメントの展開にとって、重要なヒントになりそうだ。