協会けんぽ岐阜支部、健康経営の認定制度を創設

次に、協会けんぽの立場から、データヘルス計画をどう推進しているのか、全国健康保険協会岐阜支部保健グループ長の西原敏順氏が講演した。協会けんぽの岐阜支部は2015年10月、健康経営推進事業所認定制度を創設し、同制度と結びついた金融優遇も地元銀行から受けられるようにした。
認定制度は、経営者が従業員の健康や安全の確保を重視する方針を明文化していること、経営者を含め従業員が毎年健康診断を受診していること、健康診断の結果に基づいた特定保健指導、受動喫煙防止対策、メンタルヘルスケアなどが主な要件。明文化については、岐阜労働局の既存制度「はつらつ職場づくり宣言」などとリンクさせている。
認定制度は、健康経営研修会の助言を得て設計した。33項目を記載した申請書で一次審査の上、協会けんぽが事業所を訪問し、事業主と担当者の両方にヒアリングしている。インセンティブは地元の十六銀行が、協会けんぽの認定制度に合わせて商品を設計した。また、岐阜県の中小企業資金融資制度においても、協会けんぽのこの認定を受けた事業所は基準を満たしたとみなされる仕組みだ。これまでに認定を受けた事業所は6社である。
このほか、協会けんぽ岐阜支部は、スポーツクラブや、セミナー会場となる多目的ホールに併設の図書館などとも連携を取っている。西原氏はインセンティブなどを提供する企業・団体との連携について「すでにある場を大事にしたい。協定を結ぶと結んだ時点がピークになってしまうことがままあるが、お互いの強みや弱みを知ってそれを生かす方法を探ることが大切。まず、相手のメリットを探し、次にそれを健保加入者の利益に結びつける方法を考える。この考え方で動くと、相手も受け入れてくれる可能性が高い」と進め方のコツを語った。