人工知能に臨床の知識を
医療情報の活用に向けて、大江氏のグループでは2013年度から「SS-MIX2」標準化ストレージの実現に力を入れてきた(関連記事)。健康情報の活用に向けては2015年度から、SS-MIX2準拠のクラウドベースの「パーソナルライフデータストレージ」の構築を進めている。これらに続く取り組みとして2016年度に始めるのが、対話型問診ロボットの開発だ。高齢化の進行などに伴い、「人(医師や看護師)による情報収集では追い付かなくなる」(大江氏)という社会的課題に応える。
ただし、目的はロボットという「ハードウエア」を活用することではない。重点を置くのは、人工知能(AI)の活用だ。臨床医学に関する知識データベースを学習させ、問診に必要な高度な質疑応答に対応できる人工知能の実現を目指す。
その家庭における人間とのインターフェースとして、Pepperのようなロボットを想定する。臨床医学に関する知識データベースに関しては、大江氏らのグループでその基盤を構築済みだ。