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IoTにより増大するデータと電力量

 総務省が公開した「情報通信白書平成28年度版」によれば、2015年時点でインターネットにつながるIoTデバイスの数は154億個である。2020年までにその約2倍の304億個まで増大すると報告されている。また米Cisco Systems社の調査(Cisco global cloud index 2015-2020)では、IoTで生み出されるデータ量が爆発的に増大し、2020年には14.1ゼタバイトに達すると予測されている。

 例えば、今街中を走る自動車は、速度、衝撃、圧力、物体など、自動車の状況を把握するためのさまざまなセンサーを搭載している。自動運転が実現すると、これらのセンサー数は約18倍にもなるといわれている。これらに加えて、3次元地図情報やGPS位置情報、渋滞情報、気象データなどを収集し、分析することを考えれば、センサーの増加によるデータ量の急速な増大も容易に想像がつく。

 IoTの利用拡大で増大するのはデータ量だけではない。電力使用量もその1つである。2020年までに20倍のデータがデジタル化1)され、2040年までに電力使用量は現在の2倍になる2)と言われている。IoTやクラウドの導入では、ソフトウエアやデバイスに注目しがちである。しかし、どれだけソフトウエアやデバイスが発達しても、電力がなければシステムは稼働しない。IoTでは、エンドポイントが爆発的に増加したり、これまでネットワークに接続しなかったデバイスが接続したりするために、機器の増加に則した電力の安定供給がより重要になる。そこで電力の最適化や効率化を目的に、再生可能エネルギーの活用やスマートグリッドによる分散化がさらに進化するだろう。

 IoTと誰でも容易に使えるデバイスの普及拡大により、圧倒的な量のデータがクラウド上に蓄積される。それに加えて、これらはリアルタイムに相互に通信しあう。収集、交換されるデータを分析することで新しい付加価値を生み出すことが期待されているが、リアルタイム処理については、ネットワークの遅延が1つの課題になる。今までのネットワークとは桁違いに大容量のデータを、双方向に遅延なく送り届けるように実装する必要があるからだ。

 このように、IoTの普及に向けては、「電力管理」と「ネットワーク遅延の解消」という課題に対処する必要がある。フランスSchneider Electric社は、エネルギーとオートメーションの専門家として、電力管理とコンピューティングに深い知見を有し、この知見をIoT時代に生じる課題に生かすべく「エッジコンピューティング」という考え方を提唱している。本稿では、そのエッジコンピューティングについて解説する。