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“セクシーさ”も犠牲にしない

 Carinは大きく4つの要素から成るソリューション型製品だ。すなわち、(1)尿漏れを検知するウエアラブルセンサー、(2)ウエアラブルセンサーとBluetooth連携し、尿漏れのデータを記録・閲覧できるスマートフォンアプリ、(3)専用の下着(尿漏れ防止ショーツ)、(4)尿漏れの改善に効果があるとされる骨盤底筋トレーニングの動画アプリ、である。

ウエアラブルセンサーと専用下着、動画コンテンツを含むスマホアプリから成る(提供:ライフセンスグループジャパン)
ウエアラブルセンサーと専用下着、動画コンテンツを含むスマホアプリから成る(提供:ライフセンスグループジャパン)
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 (3)の尿漏れ防止ショーツは、恥骨に触れる部分にポケットを設けており、ここに(1)のウエアラブルセンサーを装着する。尿漏れが起きるとショーツに取り付けた銀(Ag)配線の抵抗値が変化し、Ag配線と電気的に接続されたウエアラブルセンサーで尿漏れの回数や量、発生時刻を検知する仕組みだ。この際、センサーに搭載した加速度センサーで、どのような体の動きをしていたかを併せて検知。これらのデータを、センサーとBluetooth連携した(2)のスマートフォンアプリに記録する。

 ショーツには、表面積の5倍の量の尿を吸収できる速乾性素材を使用。1回当たり10mL程度までの尿漏れならすぐに吸収し、体温で乾いて不快感を感じずに済む。尿漏れの検知にAg配線を使うのは、Agの消臭効果を利用するため。ショーツは洗濯でき、繰り返し使用が可能だ。

 特にこだわったのはショーツのデザイン。「一般的な尿漏れ対策パンツは、おしゃれとは言えない。我々はオランダ人デザイナーを起用し、女性がデートなどにも履いていこうと思えるような、セクシーさも備えたデザインを採用している」(金澤氏)。

 ウエアラブルセンサーには、無線通信機能などを含む電子回路のほか、加速度センサーや業界最小クラスというLiイオン電池を搭載。半導体技術に関する知見を生かし、小型・低電力を実現した。

血糖値や尿酸値も視野

 (4)の骨盤底筋トレーニングの動画アプリでは、複数のコンテンツを用意。センサーによる測定結果に応じて、推奨される動画をユーザーに提示する。動画に習って行うトレーニングを2~3カ月続けることで、尿漏れ症状の改善が見込めるという。「それでも効果が得られなければ、病院を受診してもらうことを想定している。その際、尿漏れを記録したアプリを問診票代わりに使ってもらいたい」(金澤氏)。そこでアプリには問診項目を意識し、摂取した飲み物を記録しておく機能なども実装した。

問診表のように使える機能をアプリに
問診表のように使える機能をアプリに
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 Carinは、欧州ではLifeSense Group社が開発した製品を発売済み。ライフセンスグループジャパンは、まずはその輸入品を扱う。現在、同製品が「着け心地などの点で日本人にフィットするかどうかのフィールドテストを、20~60歳代の女性を対象に進めている」(金澤氏)。日本での販売価格は、2017年の発売当初はセット(センサー、充電器、ショーツ)で3万円(税抜き)とする予定で、交換用ショーツは1枚3000円(同)。

 Webなどを使った一般消費者向け販売のほか、医療機関やスポーツジム経由での販売を計画する。アプリを問診票代わりに使う用途に向けて、大学病院の泌尿器科との連携も進めていく。

 日本やアジア地域ならではのニーズを掘り起こすために、今後はウエアラブルセンサーやショーツの設計・製造を日本で独自に進めたい考えだ。既に、ショーツについては国内大手下着メーカーへの製造委託を決めた。設計・製造を日本で行うことで、価格低減にもつなげられる見込みという。並行して、男性をターゲットにした製品開発も進めていく。

 実はこれらは、ライフセンスグループジャパンが想定する第1フェーズにすぎない。2020年ごろまでの第2フェーズでは、尿漏れだけでなく「血糖値や尿酸値、脈拍、体温などもウエアラブルセンサーで取得できるようにし、AI(人工知能)も活用してクラウドで解析するサービスの事業化を目指す」(金澤氏)。既に、AI技術を持つ企業との連携に着手。測定項目の拡充についても、例えば血糖値については良い感触が得られ始めているという。