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保険会社のライバルは異業種?

 こうした思いと同期するかのように、(3)のテクノロジーを利用できる環境が「ちょうど良いタイミングで整ってきた」(メットライフ生命の前中氏)。ここ数年でスマートフォンやウエアラブル端末が誰にとっても身近になり、ビッグデータやAI、ブロックチェーンといった情報基盤も急速に発展している。保険業界にとっては「かつては数千万円を要した技術やサービスを数千円で実現し、多くの人にスピーディーに供給できるようになった」(同氏)のである。

 ICTを活用することで、保険サービスの効率や収益性を高めていくInsTech(インステック)やInsurTech(インシュアテック)と呼ばれる動きも、これと同じ背景から生まれた。つまりInsTechと“保険×デジタルヘルス”の親和性は高く、「InsTechの取り組みの一つにヘルスケアや健康増進がある」(第一生命の齋藤氏)と位置付ける企業もある。

ウォーキングを促すアプリとしてマニュライフ生命保険が提供する「Manulife WALK」(出典:マニュライフ生命保険のプレスリリース)
ウォーキングを促すアプリとしてマニュライフ生命保険が提供する「Manulife WALK」(出典:マニュライフ生命保険のプレスリリース)
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 一方で、こうしたテクノロジーの進化は保険業界にとっては諸刃の剣でもある。急速な技術進化によって「スタートアップ企業が新しいアイデアを容易に試せるようになり、Uberや民泊のような破壊的ビジネスモデルが突如として現れるようになってきた。こうした中から、我々にとっての脅威が生まれないとも限らない。ディープラーニング(深層学習)のような画期的技術をどのように使えるかを、我々自身が考えなくてはならない」と明治安田生命の薄井氏は危機感をあらわにする。

 テクノロジーが保険ビジネスの参入障壁を下げ、業界図を塗り替えるプレーヤーが遠くない将来に登場するのではないか。そんな危機感も、保険業界がデジタルヘルスに接近する背景にはあるようだ。