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検診への活用を見据えたAIを学会主導で開発

 内視鏡による大腸癌や胃癌の検診にAIが広く使われる時代を見据え、学会も動き出した。日本消化器内視鏡学会はAMEDの支援を受け、内視鏡検査に伴う症例情報(テキスト情報)と画像情報を大規模に収集するプロジェクトを立ち上げ、多くの医療機関や健診機関が利用できる汎用性の高いAIの開発を目指している。テキスト情報の収集を中心に2015年から始めていた「JED-Project(Japan Endoscopy Database Project)」に、2017年から新たに画像情報の収集を加えた形だ。

 プロジェクト代表者を務める日本消化器内視鏡学会理事長特別補佐Japan Endoscopy Database Projectデータベース構築責任者の田中聖人氏は「内視鏡検査では専門医のマンパワーが不足しており、これを補うためにAIを活用したい。癌検診では担当医の判定を専門医がダブルチェックするが、全ての画像を専門医が見直すのは効率が悪い。AIでスクリーニングし、専門医の確認が必要な症例を絞り込むような使い方が有用だと考えている」と話す。

 プロジェクトでは、全国32施設から消化管内視鏡検査の情報を集める。いずれも年間1万件を超える内視鏡検査を実施している施設で、2017年度中に計32万件分の情報を集める計画だ。胃癌や大腸癌、食道癌など消化管全般の癌症例などがここに含まれる見込みで、データは日本消化器内視鏡学会のサーバーに保存する。

 こうして収集したデータは、共同研究先の国立情報学研究所が開発するAIで解析する。まずは2018年3月までに、癌が疑われる病変を検出する機能などを備えたAIのプロトタイプを開発する狙い。32施設のうち先行する4施設からのデータ収集を始めており、これを基にAIのアルゴリズム開発などを進めていく。