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次期改定に向けた要望を提出

 他にも、J-CROSによる多施設共同後ろ向き(retrospective)観察研究、論文などの文献に基づくデータ分析(システマティックレビュー)などが進められている。陽子線治療に関しても、重粒子線治療と同様の取り組みが進行中だ。JASTROはこれらの研究や分析の結果を厚労省に提出し、保険適用疾患の拡大につなげる考えである。

2017年11月17~19日に大阪市で開催された日本放射線腫瘍学会 第30回学術大会では、2018年度診療報酬改定の動向も話題になった
2017年11月17~19日に大阪市で開催された日本放射線腫瘍学会 第30回学術大会では、2018年度診療報酬改定の動向も話題になった
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 日本放射線腫瘍学会 第30回学術大会では、粒子線治療のシステマティックレビューを主題とするワークショップが開催された。この中ではJASTROが、2018年度診療報酬改定に向けた取り組みを紹介。粒子線治療に対する保険適用を厚労省に要望した疾患として、骨軟部がんに対する陽子線治療、頭頸部がんのうちの非扁平上皮がん、肝がんの3つを挙げた。

 このワークショップでは、粒子線治療への保険適用が臨床現場に与えたインパクトの一端を示す発表もあった。2016年4月に手術非適応の骨軟部がんの重粒子線治療に保険が適用された後、兵庫県立粒子線医療センターではこの疾患の年間治療数が(結果として陽子線治療を選んだ症例を含めて)従来の約2.5倍に増えたという。

 手術非適応の骨軟部がんの重粒子線治療に対する保険適用では、後ろ向き観察研究の結果報告が大きく貢献した。今回、JASTROが厚労省に提出した要望が2018年度診療報酬改定にどのように反映されるかは、今後の重粒子線治療の行方を大きく左右しそうだ。