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 「いい部屋でんき」をやめる大東建託グループが、「いい部屋ガス」を始める――。12月18日、驚くべきニュースが飛び込んできた。

 大東建託の100%子会社でLP(液化石油)ガス販売を手がけるガスパル(東京都港区)が、東京ガスの供給エリアで都市ガス販売を始めると発表したのだ。

 大東建託といえば、グループ会社の新電力である大東エナジー(東京都港区)が11月7日、電気事業の縮小を発表。自社物件など一部への供給は継続するものの、大東建託が管理する賃貸物件の入居者向けサービス「いい部屋でんき」の顧客には、他の電力会社への契約切り替えを促すレターを発送している。突然、事実上の撤退を公にしたことで、26万もの契約世帯に混乱が広がっている(路頭に迷う26万の「大東難民」を救えるか)。

 今回、ガスパルが都市ガスを販売するのは、電力と同じく大東建託の管理する賃貸物件の入居者だ。サービス名も、電力の「いい部屋でんき」にならい、「いい部屋ガス」としている。

 このタイミングで都市ガス販売を開始する理由ついてガスパルは次のように説明する。「都市ガス販売を手がけたいとガス小売事業者に今年6月に登録した。それからシステム開発などを手がけ、ようやく準備が整ったので提供開始を発表した。新電力の大東エナジーは、同じ大東建託グループだが、別会社なので事業展開についての接点はない」。

新電力の教訓から「受け付けチャネルは絞る」

 大東エナジーは電気事業の縮小理由を「電力市場価格の高騰及びシステムの改修困難」としている(大東エナジーも追い込んだ、新電力襲う事務処理)。システム改修コストが高額になる理由について、大東エナジーは詳細を明らかにしていない。ただ、日経エネルギーNextの取材によると、複数の営業チャネルから申し込みを受け付けたことや、新規入居者だけでなく既存入居者もサービス対象にしたことで、事務処理の負荷が非常に重くなったという面があったもようだ。

 これに対してガスパルは、「混乱が生じないよう、当面は12月18日以降に入居を申し込む世帯からの受け付けに限り、既存の入居者は対象外にする。法人契約も対象外とし、手続きはWebサイトからのみとした」という。この点では、大東エナジーの教訓を生かした。