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 そこで、当該期間の東西エリアにおけるJEPXの価格推移を改めて確認したい。

 まず、東京エリア価格をグラフ5に示す。この期間における日中最高値は、25円/kWh台、35円/kWh台、45円/kWh台と17日渡しから日を追うごとにほぼ10円/kWh刻みで上昇し、23日渡しで50円/kWh台、24日渡しで60円/kWhを記録した。

東京エリアは7月24日渡しで60円/kWhを記録
東京エリアは7月24日渡しで60円/kWhを記録
グラフ5●7月下旬の東京エリアプライス(出所:JEPXのデータを基に日経エネルギーNext電力研究会作成)
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 一方、関西エリアの価格がグラフ6である。17日渡し、18日渡しの日中最高値は、それぞれ23円/kWh台、25円/kWh台となったものの、19・20日渡しは30円/kWh台、週明けの23日渡しは50円/kWh台となり、24日に99.99円/kWh、25日に100.02円/kWhを付けた。2005年にJEPXが始まって以来の高値だ。その後、27日にかけて、日中最高値は40円/kWh台、30円/kWhと高価格帯でありながらも大きく段階的に値を下げた。

関西エリアは7月25日渡しで100.02円/kWhを記録
関西エリアは7月25日渡しで100.02円/kWhを記録
グラフ6●7月下旬の関西エリアプライス(出所:JEPXのデータを基に日経エネルギーNext電力研究会作成)
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買い入札量では説明できない高値

 気温と需要量の間に相応の関連性があって、東西ともに気温に応じた需要の増減を見て取れる。一方で、東西の価格はその動きや水準に大きな違いがある。その背景は何か。

 そこで、JEPX市場の価格を決める際の買い入札量や売り入札量、その結果としての約定量を追ってみたい。その際、市場価格が高騰した7月23~25日とその前後平日1日を対象にし、その中でも高値価格を付けた昼から夕刻にかけての時間帯に絞ってみた。ただ、これらの取引量情報はエリア単位では公開されていない。全国ベースでグラフ化したのがグラフ7・8だ。

7月24~25日は“売り切れ”状態だった
7月24~25日は“売り切れ”状態だった
グラフ7●7月下旬の昼から夕刻の全国の売り入札量と約定量(出所:JEPXのデータを基に日経エネルギーNext電力研究会作成
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 グラフ7を見ると、関西エリアで高値を付けた24日、および25日渡しでは、売り入札量が約定量と一致している。いわゆる売り切れ状態だ。23日渡しこそ売り入札量が約定量を上回っているが、その差は大きくない。高値が付きやすい状況であったことが容易に推察される。

 JEPXの場合、売り入札量の大半が、当該エリアの大手電力(旧一般電気事業者)だと思われる。高値が付いた13時以降、徐々に売り入札量が減少しているのは、夕刻にかけて太陽光発電由来の電気が減少し、同発電施設に依存した供給力が低下していった可能性がある。

 買い入札量の方はどうだったか。グラフ8が同じ期間の買い入札量の推移である。

 買い入札量は16~17時をピークに、その後は減少している。スポット市場の主な買い手といえば従来は新電力であった。しかし、2017年度から始まったグロスビディングに基づき、現在は大手電力の買い入札のウェイトが大きくなっている。

最高値がついた7月25日の買い入札量は比較的少なかった
最高値がついた7月25日の買い入札量は比較的少なかった
グラフ8●7月下旬の全国の買い入札量(出所:JEPXのデータを基に日経エネルギーNext電力研究会作成)
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 グラフ8を見ると、23日渡しが最も多くの買い札が入り、その後、夕刻にかけて買い入札量が減少する時間帯では、24日渡しが最も多くの買い入札量をキープしていたのが分かる。

 また、100.02円/kWhの最高値を付けた25日渡しでは、いずれの時間帯でも買い入札量は、23日や24日渡しよりむしろ少なくなっている。買い入札量自体が減少しているにもかかわらず、高値がついているということは、市場における売り切れ状態に加えて、高値で買い札を入れる行為が端的に影響したと考えられる。