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 第4が、「燃料を安定的に調達できるかどうか」です。FITの20年の買取期間中、バイオマス燃料を安定調達できるか、その調達の持続可能性は担保できるかが非常に大きな問題です。国内材は農林水産省のガイドラインに基づき森林の持続可能性およびサプライチェーンの確認が行われています。今後は輸入材についても、同様の対応が求められそうです。

 燃料別では、一般木質バイオマス発電の専焼案件(バイオマス比率90%以上)のうち、件数ベースで約5割、出力ベースで約4割がパームオイルを含んでいると報告されています(調達価格等算定委員会第30回)。

 パームオイル、森林減少など環境面での影響に加えて、違法操業の問題が指摘されており、合法性の確認方法が調達価格等算定委員会での検討事項とされています。2017年5月20日に施行された「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(通称「クリーンウッド法」)による合法性の確認方法に留意する必要があります。

 第5の論点は「熱電併給への支援策」です。木質バイオマスのエネルギー利用効率は、発電のみでは20~40%程度にとどまりますが、燃焼過程の排熱を使った熱電併給によって、電気と熱を合わせた総合エネルギー効率を80%まで高めることができます。

 欧州には、総合エネルギー効率60%以上のバイオマス発電をFIT対象にし、熱電併給へ誘導している国もあります。「平成29年度以降の調達価格等に関する意見」では、自立の観点から熱電併給を促進する支援策の検討が重要と言及しています。

 もっとも、発電所の規模が大きくなれば発電効率が高くなる一方で、大規模発電所の近隣に大規模な熱需要があるケースは限られるのが実情です。熱電併給に対して買取価格の上乗せをするかどうかは、調達価格等算定委員会の議論を注視する必要があります。

2018年、2019年の事業化決定は要注意

 そして、第6のポイントが「複数年度の買取価格設定の見直し」です。バイオマス発電はリードタイムが長い電源なので、事業化の予見可能性を高めるべく、2016年改正FIT法に基づき、複数年度(平成29年度~平成31年度の向こう3年間)のFIT買取価格を固定しています。ただ、この点は見直しの可能性があります。

 調達価格等算定委員会(第30回)の配布資料の中で、今年度のバイオマスの論点のひとつとして、国際情勢や導入量を踏まえてあらためて向こう3年間のFIT買取価格につき「既決事項との関係を整理」しながら検討を進めると記されています。2018年度と2019年度に事業化決定には留意が必要です。

 燃料調達や資金調達に問題のある案件は、認定の失効・取消しにより脱落していくでしょう。認定取得済みのバイオマス発電のうち、どれだけ稼働・導入にまで至るのかを見極めつつ、調達価格等算定委員会の議論を注視する必要があります。次回の調達価格等算定委員会(第32回)の開催予定日は11月21日です。