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第3章:周波数帯域、立ち上がり時間
周波数帯域の1/3
立ち上がり時間の4倍

 実際に信号の振幅を測定するときに、注意を払わなければならないのがオシロスコープの周波数帯域だ。オシロスコープの周波数帯域という性能表記は、オシロスコープ固有のものではなく、読者の皆さんが普段使用する、一般的な周波数帯域の定義とまったく同じである。周波数帯域は、入力されたサイン波信号が、その本来の振幅に対して3dB減衰する周波数と定義されている(図1)。これは、実際の信号振幅より約30%小さく表示されてしまうことを意味する。

図1 約30%の振幅誤差が発生
図1 約30%の振幅誤差が発生
オシロスコープの仕様に記されている周波数帯域と同じ周波数のサイン波を観測すると、大きな誤差が生じてしまう。
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 例えば、周波数帯域100MHzのオシロスコープで100MHzのサイン波信号を測定したとすると、表示されるサイン波の振幅は実際の信号振幅より小さく、約70%の大きさにしか表示されないことになる。100%であるべきサイン波の振幅が30%も小さく表示されるということは、30%もの誤差があることになる。

 これは何を意味するかというと、オシロスコープの周波数帯域を間違った解釈で利用してしまうと“悲劇”が起こるということだ。30%もの誤差があっては、測定したデータは意味が無い結果となるので注意が必要だ。

 入力されたサイン波信号の周波数を下げていくに従い、オシロスコープに表示される振幅は本来の振幅に漸近するのだが、では、どの周波数まで下げれば振幅測定に十分な確度と言える3%に収めることができるだろうか。

 もう一つ、オシロスコープの代表的な周波数特性カーブは、ガウシアン・カーブ(ガウス曲線)である。このガウシアン・カーブで3%減衰に相当する交点を確認すると、その周波数は周波数帯域の約1/3であることが分かる(図1の拡大部)。つまり、100MHzの周波数帯域を持つオシロスコープであれば、30MHz程度の周波数までのサイン波信号であれば確度3%で測定できるわけだ。

 このように、サイン波信号の振幅を測定する際にはその周波数に対してオシロスコープの周波数帯域が少なくとも3倍以上あることを押さえておいてもらいたい。