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厳しい要件を設けたことに厚労省は…

 第2に、初診の患者には算定できず、対象となる管理料などを初めて算定した月から6カ月以上経過していることが前提になるという点。さらに、そうした管理料を初めて算定した月から6カ月間は、オンライン診療を行う医師と同一の医師が毎月対面診療を行っている(または直近12カ月以内に対面診療を6回以上行っている)ことが求められる。

 継続的な医学管理を行っていて容態が安定した患者を対象にする、というのが規制する側の考え方。しかし、そもそも定期的に通院できる患者であれば、オンライン診療を組み入れる必要性は必ずしも高くないというのが現場の声だ。さらに、長期の医学管理は必要としない、比較的軽度の疾患の患者にオンライン診療を使いたいというニーズも実際には多い。規制サイドと現場の認識にはかなりの隔たりがある。

 第3に、離島やへき地など、医療過疎地域の患者に対する医療提供手段としての位置付けも大きく後退した。緊急時に、オンライン診療を行っている医療機関で概ね30分以内に診察可能なことが施設基準の一つとなったためだ。そもそもオンライン診療はこれまでは遠隔診療と呼ばれることが多く、遠隔医療の一形態と捉えられてきた。その側面は薄められ、どちらかといえば医療資源が潤沢な都市部を想定しているとも取れる内容になった。

厚生労働省が2018年3月に開催した「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会」では、自由診療として実施する場合を含めた、オンライン診療の包括的な運用ガイドラインに関する議論が行われた
厚生労働省が2018年3月に開催した「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会」では、自由診療として実施する場合を含めた、オンライン診療の包括的な運用ガイドラインに関する議論が行われた
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 このほか、厚生労働省が2018年3月末にとりまとめるオンライン診療の運用ガイドラインに即した診療を行うことも求められる。このガイドラインでは、オンライン診療の適用対象や診療計画、診察方法など、多数の項目について最低限遵守すべき事項などを定める。自由診療の場合を含め、これを満たしてオンライン診療を行う限り、医師法第20条などに抵触しないことを明確にする内容だ。オンライン診療の運用に当たっての手引きとなるものだが、オンライン診療の利用形態についてさらなる制約が上乗せされるとの見方もできる。

 厚労省はこうした厳しい要件を設けたことに関して、「患者数が増えて医療の担い手が不足すると予想される、医療ニーズの高い領域にまずは重点を置いた。皆が合意できる部分から、慎重かつ安全に運用を始めたい」(医政局医事課長補佐の久米隼人氏)と説明する。こうした姿勢には、オンライン診療の現場も一定の理解を示す。国際医療福祉大学三田病院の田村氏は「ゆくゆくは間口を広げることが望ましいとしても、最初から間口を広げすぎて医療費が増えたり、健康被害が出たりしては問題だ。オンライン診療の費用対効果などの評価が定まっていない現状で、対象を絞ったことは十分理解できる」と話す。