幅広いヘルスケア行動の予測に拡張できる
今回の数理モデルを使った解析では、試みに処方箋の数、情報提供量、検索数のデータを用いて新患数の推移を分析した。だが、目的変数は新患数だけでなく、各種の予防行動量、あるいは食品購買行動など幅広いヘルスケア行動を予測可能なモデルに拡張できると考えている。
一般生活者のヘルスケアに関する行動をモデル化していく上で、様々な有用なデータがすでに揃っている。例えば、匿名化されたPHR(Personal Health Record、健診や個人が測定した健康関連のデータ)、健康と関連の高い食品などの販売POSデータなどを活用することで、予防行動を喚起する効果的な情報提供を多様な疾患領域に応用することが可能になるだろう。
ただし、当社単独でのデータ取得には限界があるため、このようなヘルスケアデータを保有する研究機関などとの共同研究を進め、より精度の高く実用的な行動モデル構築を目指す必要性を感じている(図2)。