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“サイロ化”を脱せよ

 タブレット端末や遠隔モニタリングを活用し、患者やその家族との関わりを変革する――。そんな事例としてRijpma氏が紹介したのが、米国Children’s Mercy病院がMicrosoft社のプラットフォームで実現した遠隔モニタリングシステムである。

 同システムではモバイルアプリを使い、患者家族と病院スタッフがいつでもデータを共有したりコミュニケーションを取れる。これにより、患者の危険な兆候などを早期に察知できる。同病院はこの仕組みを、左心低形成症候群と呼ばれる重い心臓病を持つ小児患者のケアに利用。Rijpma氏が見せたビデオには、このシステムで子供の命が救われた体験をしたという患者家族が登場した。

 「医療機関ではこれまで、院内に閉じた情報システムが使われてきた。クラウドやモバイルを活用することでこうしたサイロ化された情報をオープンなものとし、それによってケアの質を高められる」。Children’s Mercy病院での取り組みの意義を、Rijpma氏はこう説明する。

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 同氏は最後に、医療業界が目指すべき今後の方向性として次の3つを挙げた。第1に、ケアの仮想化や個別化医療を通じた医療現場の「生産性やビジネスプロセスの改革」。第2に、Mixed Reality(複合現実)やウエアラブル機器を用いた「よりパーソナルなコンピューティングの実現」。第3に、AIや機械学習、IoT(Internet of Things)による「インテリジェントなクラウドプラットフォームの構築」、である。

 AIや機械学習に関しては、医療現場で生じるさまざまな事象を予測可能としたり、分析の精度を高めたりする点に大きな可能性があると説明。画像診断などの領域では、コンピューターが人間を超える能力を発揮し始めているとした。