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その秘書をなぜ要望するのか

 職員の働き方改革や意識改革を促進できた理由は、こうした「今まで以上に便利な環境を」といった施策だけではなく、「診療部長や外来医長らの部門トップがユニバーサル外来の意義を前向きに認識し、信念を持って取り組んだ結果」だと神野理事長は力説する。現場のメンバーによる主体的な関与は、各診察室に在席するようになった秘書の教育にも表われている。

ユニバーサル外来待合の向かい側に集約された処置室。スタッフの効率的な稼働と薬剤や医用材料のデリバリーの効率化も実現
ユニバーサル外来待合の向かい側に集約された処置室。スタッフの効率的な稼働と薬剤や医用材料のデリバリーの効率化も実現
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 秘書はユニバーサル外来を使用する診療科を問わず、一定の知識を有しないと業務が回らない。「医師によっては秘書を指定したいという要望はあったが、基本的には受け付けなかった。ただし、その秘書をなぜ要望するのかの理由は聞き取り調査した。その評価を全員で共有することによって、スキルを平準化することに努めた」(神野常務理事)。

 こうした教育を率先して実施しているのも現場の医師たちである。それぞれの秘書が何科に対応できるか、あるいは苦手とする診療科領域は何かを一覧にしている。「それに基づいて医師が指導し、秘書自らも継続的にスキルアップする環境を醸成した」(神野常務理事)ことが、円滑な外来診療を可能にした。秘書だけではなく、ユニバーサル外来の受付事務職もすべての診療科に対応できる知識が求められるため、職員同士が自らスキルアップに務めるようになったと話す。

 実は恵寿総合病院は、従来から職員の自立的なキャリア形成を積極的に支援してきた。ユニバーサル外来運用に伴う各職員のキャリアアップに対する取り組みも、その延長線上で行われたと言える。こうした取り組みが評価され、2017年11月には厚生労働省の「グッドキャリア企業アワード2017」イノベーション賞(人材開発統括官表彰)も受賞した。