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妊活のフローが大きく変わる

 Seemの活用によって男性が早期に不妊治療に参画すれば、妊活のフローが大きく変わると入澤氏は言う。というのも、これまでは女性が一人で不妊治療を開始し、1~2年遅れてようやく男性が病院で検査するケースが少なくなかったためだ。

 実際、多くの夫婦は次のような流れで不妊治療を行っているという。まず始めに女性が基礎体温や生理日を自己管理する。これを1年間続けても子どもができないと、多くの女性が婦人科に相談に行き、検査する。卵胞の育ち具合を見ながら排卵日を把握するタイミング法に半年間ほど取り組む。ここまで行ってから、男性が病院に検査に行くという夫婦が多いという。「ようやく男性が重い腰を上げてみたら、無精子症だったということも少なくないと聞き、時間も費用ももったいないと思った」と入澤氏は話す。不妊治療の入り口の部分にSeemを利用することで、「今の不妊治療のフローを変え、早期に適切な治療を開始する一助となることを狙う」(入澤氏)。

 Seemの活用で、不妊治療のスピードを決定的に変えたエピソードもある。開発中に同社内でテスト使用を行ったところ、利用者の一人に無精子症の疑いが発覚したのだ。病院に行って検査をしたところ先天的な無精子症であることがわかった。精管が生まれつき欠損しているが、精巣で精子は作られていたため、すぐに必要な治療を施したところ、Seemを使用して半年後には奥さんが妊娠した。この夫婦は、妊活を初めてまだ2カ月だった。一般的な不妊治療のフローでいえば、まだ女性も病院に行っていないタイミング。「Seemの使用で早期に病院に行けたことで必要な治療だけを行うことができた」と入澤氏は振り返る。

 Seemを活用するメリットは、治療期間の短縮だけでなく女性の身体的負担の軽減を図れる可能性があることにもあるという。例えば、ほかの治療法に比べて比較的成功率が高い「顕微授精」という方法がある。これは、採取した精子と卵子を顕微鏡で見ながら体外で授精させる治療法で、不妊治療のフローでいうと最終段階の治療だ。精子が動いていなくても少なくても授精できる可能性があるため、「精子の状態が少し悪くても、男性側の治療をせずに顕微授精さえすればいい、という風潮も少なからずあった」と入澤氏は話す。

 しかし、顕微授精が女性に与える負担は大きい。子宮に針を刺して卵子を採取した後、受精卵を子宮に戻す必要があるため2度の手術が必要なのだ。Seemを活用して男性が早期から積極的に不妊治療に参画すれば、顕微授精よりも前段階の治療ステージである体外受精や人工授精などを行い、女性の負担を軽減できる可能性が生まれるのだ。