PR

AI活用で診療場面はこう変化する

 10月11日には、プロジェクトに参画する医療機関や企業が発表され、いよいよ体制が整った。採択された研究開発プロジェクトは表1の通り。

 表1のサブテーマDに記載されている、国立成育医療研究センターをはじめ4つの医療機関が第一弾のモデル病院となる。これらの施設が実践・検証の場となり、まずは3つの研究開発プロジェクトが始動する。

表1 「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」に採択された研究開発プロジェクト(中村氏への取材を基に編集部作成)
表1 「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」に採択された研究開発プロジェクト(中村氏への取材を基に編集部作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 その1つが、音声認識で診療記録が文書化できるシステムや、患者に疾患や治療方針について説明するコミュニケーションシステムの開発だ。表1のサブテーマBに当たる研究開発プロジェクトである。

 現在、医師は診察中に診療記録を文書化しなくてはならず、患者と対面していてもモニターやキーボードを見る時間が多くなっている(図2上)。これを解決するため、AIが医療の専門用語を学習して“辞書”を作成し、診療情報を音声認識できるシステムの開発を目指す。医師と患者の会話を認識して自動で診療情報を記録できるシステムが構築できれば、医師の診療記録にかかる手間を省くことができるというわけだ(図2下)。

図2 AI活用による診療場面の変化イメージ
図2 AI活用による診療場面の変化イメージ
AIが医療現場の専門用語を学習し、診療記録の音声入力が可能になれば、医師が患者を目を合わせてコミュニケ―ションを取れる時間が増える
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、インフォームドコンセントのための患者や家族への説明補助にもAIを活用することを試みる。診断内容や治療方針について学習したAIが、医師の代わりに患者や家族に説明するシステムの開発を目指す。将来的には、「患者や家族の理解度に応じて説明を変えるような機能も設けたい」と中村氏は話す。

 質問があれば答えるようにするなど、AIと患者や家族が相互にコミュニケーションを取れるようにすることも狙う。もちろん、最終的な決断を行う際には、医師と患者が対面で話すことを想定している。