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システム導入で一気に変化

 2018年6月ごろにスマホによる音声認識システムを本格導入して以来、その光景はがらりと変わった。パソコンのある場所に移動しなくても、移動時間や空き時間にいつでもどこでも入力できるようになったのだ。

 約60人のリハビリテーション科の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がリハビリの結果などを音声でスマホに入力するとテキストに変換され、入力ミスなどを事務員が修正した後に電子カルテにコピーする。理学療法士などは業務の終わりに入力内容を短時間で確認・修正すればよくなった。

 効果は明らかだった。患者1人当たりの入力時間がパソコンのキーボードを使った場合の174秒から約70%減の55秒になった。1日当たり全体で15時間56分だったカルテ入力時間は、一気に4時間45分まで減少した。

 削減した時間は患者のリハビリ時間の増加につながりサービスが向上した。リハビリテーション科の理学療法士らの全体の時間外業務時間も月70時間程度だったのが、同20時間程度に減った。

カルテ入力時間を約70%削減できた(出所:HITO病院)
カルテ入力時間を約70%削減できた(出所:HITO病院)
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 リハビリテーション科の主任の村上雅之氏によると「できるだけ滑舌良く話し、文節の区切りや抑揚を意識すると変換精度が高まる」という。普段の会話と同じような速度でリハビリの内容を話していくと、スマホの画面に次々と文字が表示されていく。

 実際に試してもらったところ、認識ミスは「立位」を「いつい」、「杖歩行(監視)」を「杖歩行可股関節」、「高次脳機能障害を合併」を「高次脳機能障害後合併」と変換した3カ所のみだった。認識ミスは事務員が修正するが、患者1人当たりの修正は0~3カ所程度という。

音声認識による入力例(写真:日経 xTECH)
音声認識による入力例(写真:日経 xTECH)
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