パネル洗浄で1~2割アップも
パネル洗浄の効果については諸説あるが、当社の計測では10%から50%である。近くに工場があり、非常に汚れているケースでは発電量が50%近くまで落ちた場合もある。サウジアラビアなどの中東では、砂漠の砂によるパネル表面が覆われてしまい、20~30%発電量が減少してしまう。このようなところでは、清掃ロボットなどが活用され、定期的なパネル洗浄が行われている(図6)。
汚れの度合いが、発電量にどの程度、影響を与えるかについて、パネルメーカーから公式な数値は公表されていないようだ。しかし、産業技術総合研究所や NEDOの研究資料によると、平均的に日本では表面の汚れによって発電量が10~20%減少し、雨によって汚れが流されることによって、発電量が回復するという。
従って、パネル清掃は日本では一般的に行われていない。ただし、清掃をすることのコスト対効果が良いとき、すなわち降雨から降雨までの期間が相当長い場合、降雨で流れ落ちない汚れの場合は、パネル洗浄を検討しても良いだろう。鳥の糞、樹液による汚れ、動物による汚れなどは雨では落ちない油汚れである。売電の結果が思わしくない場合にパネル表面の汚れを疑ってみても良いだろう。