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3.2 ハードウェア向けアルゴリズムの評価

 従来のソフトウェアベース手法(SW手法)と提案ハードウェア向け手法(HW手法)とをシミュレーションにより比較した。VW数は768個とし、SVMのカーネルにはeasy linear probabilityを使用した(9)。データセットには、各タイプの構造が観測される領域をトリミングした大腸NBI拡大内視鏡画像(約100×300~900×800pixel)1,260枚を使用した。評価指標には、各タイプが正しく判定されているかを示す真陽性を用いた。図6に10 fold-Cross Validation を10回行った平均値を示す。HW手法では処理を省略し次元数を削減したにもかかわらず、SW手法と同等以上の精度が得られていることが分かる。これは精度に影響の少ない処理を省略していったこと、また正規化処理をしきい値処理に置き換えるなど内視鏡画像向けにカスタマイズをしたこと、またハードウェア向けアルゴリズムでの再学習等が要因の一つであると考えられる(5)

図6 ソフトウェア(SW)とハードウェア(HW)向けアルゴリズムの次元数による識別精度比較
図6 ソフトウェア(SW)とハードウェア(HW)向けアルゴリズムの次元数による識別精度比較
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文献
(1) (独)国立がん研究センターがん対策情報センター,“がん情報サービス,”http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
(2) H. Kanao, S. Tanaka, S. Oka, M. Hirata, S. Yoshida, and K. Chayama,“Narrow-band imaging magnification predicts the histology andinvasion depth of colorectal tumors,” Journal of Gastrointestinal Endoscopy, vol. 69, no. 3, pp. 631-636, 2009.
(3) 吉牟田淳基,玉木徹,Bisser Raytchev, 金田和文,竹村嘉人,吉田成人,田中信治,“大腸拡大内視鏡画像のNBI 拡大所見分類に基づく特徴量と識別器の設計,”信学技報,IE2011-11,PRMU2011-3, MI2011-3, pp. 13-18, May 2011.
(4) T. Tamaki, J. Yoshimuta, M. Kawakami, B. Raytchev, K. Kaneda, S.Yoshida, Y. Takemura, K. Onji, R. Miyaki, and S. Tanaka, “Computeraided colorectal tumor classifi-cation in NBI endoscopy using local features,” Medical Image Analysis, vol. 17, no. 1, pp. 78-100, 2013.
(5) 清水達也,小出哲士,Anh-Tuan Hoang,杉幸樹,岡本拓巳,佐藤光,玉木徹,Bisser Raytchev, 金田和文,吉田成人,三重野寛,田中信治,“大腸内視鏡診断支援のための高速な特徴量抽出システム,”信学技報,MW2015-186, ICD2015-109, pp. 73-78,March 2016.
(6) 杉幸樹,小出哲士,清水達也,岡本拓巳,Anh-Tuan Hoang, 佐藤光,玉木徹,Bisser Raytchev, 金田和文,吉田成人,三重野寛,田中信治,“大腸内視鏡画像診断支援のためのVisual Word 特徴量変換システム,”信学技報,MW2015-187, ICD2015-110, pp. 79-84, March 2016.
(7) 岡本拓巳,小出哲士,清水達也,杉幸樹,Anh-Tuan Hoang, 佐藤光,玉木徹,Bisser Raytchev, 金田和文,吉田成人,三重野寛,田中信治,“Support Vector Machine を用いた大腸内視鏡画像診断支援タイプ識別システム,”信学技報,MW2015-188,ICD2015-111, pp. 85-90, March 2016.
(8) A. Vedaldi and B. Fulkerson, “Vlfeat : an open and portable library of computer vision algorithms,” http://www.vlfeat.org/ (2012/09/20 accessed)
(9) C.-C. Chang and C.-J. Lin, “LIVSVM-a library for support vector machines,” 2012/08/10 accessed, http://www.csie.ntu.edu.tw/~cjlin/libsvm/
本記事は、電子情報通信学会発行の機関誌『電子情報通信学会誌』Vol.100 No.2 pp.92-97に掲載された「画像処理/学習、医療アプリケーションへの応用-大腸NBI拡大内視鏡画像のリアルタイム診断支援システム-」の抜粋です。全文を閲覧するには電子情報通信学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(電子情報通信学会の「入会のページ」へのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(電子情報通信学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。『電子情報通信学会誌』の最新号はこちら(最新号目次へのリンク)。電子情報通信学会の検索システムはこちら(「I-Scover」へのリンク)。
小出哲士(こいでてつし)
小出哲士(こいでてつし) 1990 広島大・工卒。1992 同大学院工学研究科博士課程前期了。博士(工学)。1992~1998同大学・工・助手、1998 同助教授。1998~2001 東大大学院VDEC 助教授。2001 広島大ナノデバイス・システム研究センター助教授、2004 同大学先端物質科学研究科半導体集積科学専攻兼任。2007 同大学ナノデバイス・システム研究センター准教授。2008 同大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所准教授、現在に至る。2004 丸文財団丸文研究奨励賞受賞。リアルタイム画像処理,連想メモリベースシステム、SIMD プロセッシングアーキテクチャ、VLSI CAD/DA、組合せ最適化などの研究に従事。情報処理学会、ACM、 IEEE 等各会員。
玉木 徹(たまきとおる)
玉木 徹(たまきとおる) 2001 名大大学院博士課程了。同年新潟大助手。2005 から広島大准教授。コンピュータビジョン、医用画像処理の研究に従事。工博。共訳書「コンピュータビジョン:アルゴリズムと応用」など。
吉田成人(よしだしげと)
吉田成人(よしだしげと) 1992 広島大・医・医卒。2001 同大学院博士課程了。博士(医学)。2006 同大学光学医療診療部・助手。2012~2015 同大学内視鏡診療科・診療講師。現在JR 広島病院消化器内科医長。広島大ナノデバイス・バイオ融合科学研究所客員教授。消化管癌を含む消化管疾患の内視鏡診断に関する研究に従事。日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会、日本消化器がん検診学会、日本消化管学会、日本胃癌学会、日本超音波医学会、日本内科学会等各会員。