PR

 欧州最大の家電見本市「IFA」を主催するドイツMesse Berlin社は、スタートアップ企業の取り込みを本格化する。2017年9月1〜6日に開催するIFAで「IFA NEXT」と呼ぶ新しい展示ホールを設置。これまで会場内で分散していたスタートアップ企業や研究・学術機関の出展者を1カ所に集結させる。

 「最新のイノベーションを1カ所で体験できるスペースを提供する」と、Messe Berlin社 CEO(最高経営責任者)のChristian Goke氏は意気込む。この数年の「IoT(モノのインターネット)」や「ハードウエアベンチャー」の盛り上がりで、米国最大のデジタル技術の展示会「CES」をはじめ、民生機器関連の大型展示会ではスタートアップ企業の展示スペースが拡大している。IFAも同様に、新しい出展者を増やしていく狙いだ。

Messe Berlin社CEOのGoke氏は、2017年のIFAでスタートアップ企業の展示スペース「IFA NEXT」を新設すると語った
Messe Berlin社CEOのGoke氏は、2017年のIFAでスタートアップ企業の展示スペース「IFA NEXT」を新設すると語った
[画像のクリックで拡大表示]

 IFA NEXTの特徴は、新技術を披露する場だけではなく、出展者や参加者がコミュニケーションを図りやすくし、交流を促す場を志向していることだ。出展者がプレゼンテーションするカンファレンススペースを中心に同心円状に展示ブースを配置することで参加者の動線を確保し、目に触れやすくする環境づくりに取り組む。

 今回のIFAでは、目玉となるもう1つの取り組みがある。部品メーカーやOEM/ODM企業といったB2B企業の出展者の強化だ。2016年に始めた「IFA Global Markets」と呼ぶB2B企業の展示会場の面積を拡張し、メイン会場から離れたベルリンの中心部に別会場を設ける。「サプライチェーンの一連の流れをカバーする欧州最大の“ソーシングショー(sourcing show)”を目指す」と、Goke氏は宣言した。

 Messe Berlin社でIFAの統括責任者を務めるJens Heithecker氏(IFA Executive Director)が、報道関係者向けのイベント「IFA Global Press Conference 2017」で日本の報道陣のインタビューに応じ、スタートアップ企業に力を入れる狙いや、AIやVRの可能性、日本メーカーへのエールを語った。

海外攻略の最初のステップに

―― 新設するスタートアップ企業向けの展示ホール「IFA NEXT」の狙いは。

 多くのイノベーターを1カ所に集め、開発したアイデアを公開したり、イノベーターや参加者が交流しやすい環境を提供することです。カンファレンスやデモを見せるスペースも設けます。展示ホールを3つに分けて、2/3は展示スペースに、残りの1/3はカンファレンスに使う予定です。

Messe Berlin社でIFAの統括責任者を務めるHeithecker氏
Messe Berlin社でIFAの統括責任者を務めるHeithecker氏
[画像のクリックで拡大表示]

 今、スタートアップ企業が大手企業との連携を模索しているだけではなく、大企業も面白いスタートアップ企業をしきりに探しています。今回のような展示ホールを設けることで、出展者も参加者も新しいパートナーシップの可能性を探しやすくなる。新しい日本企業にとっても、海外攻略の最初のステップになるはずです。

―― スタートアップ企業の出展者は、どのように集めるのでしょうか。

 まず、スタートアップ企業が、個別にIFAに出展を申し込んでくる。これが1つの方法です。もう1つは、国や自治体が運営しているインキュベーション施設を通して、スタートアップ企業に声を掛けようと考えています。フィンランドやフランスのインキュベーション施設が興味を持っています。出展者の確保については、楽天的です。

―― 出展するスタートアップ企業の数は、どれくらいになりそうですか。

 例えば、比較的少額で1日だけ出展できるような枠組みも用意します。つまり、翌日は同じブースに別の会社がいることになるわけです。もちろん、会期中に毎日出展する企業もあるでしょう。

 スタートアップ企業には潤沢な資金があるわけではありません。短期の参加と、フルタイムの参加を用意することで、出展コストを最適化できるようにする計画です。より多くの出展者と参加者を集めて、「IFAのイノベーターハブ」になることを期待しています。