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「1分間タイムスタディ」で見えてきたこと

 これまでの議論や1分間タイムスタディから既に見えてきたことがあります。診断や治療といった医療のコアとは別の周辺業務に、医師の多くの時間が割かれていることです。

 退院サマリーの作成をはじめ、文書の作成と管理の負担が大きいのはよく指摘される点です。これを効率化するにはどのようなICT基盤が必要かを、今まさに議論しています。例えば、患者の住所や生年月日、連絡先などを複数の書類に簡単にコピーできるだけでもかなり楽になる。診断名や手術名も、コード化して楽に記入できるようにするなどの工夫が求められます。こうした様式の標準化に加え、AI(人工知能)を活用することで、作業負担をかなり減らしていけるでしょう。

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 どのような仕組みで医師などの認証を行うかも重要です。個人認証の電子化を進めることで、“紙と印鑑”の仕事をかなり代替できるのではないか。具体的には、ICチップを内蔵したHPKIカード(資格証ICカード)を医師に所持してもらいます。電子カルテへのログインなどに使えますし、オンライン診療にも活用できるでしょう。

 これまでは対面診療が前提でしたので、“顔”で個人を認証してきました。対してオンラインでの医療が広がっていくと、医師であることを電子的に認証する仕組みが必要になる。HPKIカードがそうした環境整備につながると考えています。

 まずは離島やへき地などに限定した形ですが、2018年度からオンラインで死亡診断できる仕組みも始まりました。死亡診断の情報がオンライン化されれば、その情報を1クリックでクラウドに集積できるようにもなっていきます。こうして集まるデータは、どの地域でどのような疾患が多く発生しており、それを予防するにはどのようなアプローチが有効かを知る手立てにもなる。地域の公衆衛生に役立つ可能性があるわけです。