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紙の同意書には効力を感じない

 ICTとは別に、「心」の問題も大きいです。現場のリーダーに理解があるか、新しいことに挑もうとする気概があるかといったことです。

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 何かの業務を頼まれる場合、リーダーにどういう心遣いがあるかを部下は敏感に感じ取るものです。病院であれば、個人としての業務量が少し増えたとしても、チームや病院全体のことを考えての依頼だと感じられるかどうか。そのうえで、業務負担が増える個人に対する心配りがされているかどうか。そうした心遣いがあって「この人のためなら頑張ろう」と思えるかどうかが、現場のモチベーションを左右します。

 これは患者との関係においても言えることです。患者は基本的に、医療者に対しては信頼を寄せてくれていると私は感じています。ですから、患者の望みとは別の医師や職種が対応するような場面でも、丁寧に説明すれば納得してもらえると思うのです。「病院全体の運営や医師の働き方の観点から、最良の医療を提供するためです」「あなた自身のためにもなります」という言葉はきちんと伝わると思います。

 医療現場では、患者との関係において紙の同意書を取ることが多いのですが、個人的にはあまり効力を感じていません。顔と顔を突き合わせての相互理解が何よりも大切だと思っています。(談)