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シリーズ累計の年間販売数が3億個を超えるヒット菓子「ブラックサンダー」。この30円(税抜き)のチョコバーを子供のお菓子と侮るなかれ。実は、20代以上の大人にも多大な支持を集めている。その理由は、発売から守り続ける価格と、その価格以上にお腹が膨らむ食べ応えにある。だが、発売直後は思ったように売れず、販売中止の憂き目にも遭った。「安い」という商品イメージを頑なに守り、粘り強く増やしたファンを裏切らない取り組みが“ドン底”からの起死回生につながった。
ブラックサンダーシリーズ。一番上が200~300円の「ブラックサンダーミニバー(袋詰め製品)」、下段の左から順に、50円の「ビッグサンダーⅡ」、30円の「ブラックサンダー」、40円の「ブラックサンダーゴールド」(写真:陶山勉)
ブラックサンダーシリーズ。一番上が200~300円の「ブラックサンダーミニバー(袋詰め製品)」、下段の左から順に、50円の「ビッグサンダーⅡ」、30円の「ブラックサンダー」、40円の「ブラックサンダーゴールド」(写真:陶山勉)
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最大のファンを裏切らぬ値付け

 幸運とファンに恵まれた。ブラックサンダーシリーズが年間3億個も売れるようになった理由をひと言で表せばこうなるだろう。

有楽製菓の伊藤大介氏(写真:陶山 勉)
有楽製菓の伊藤大介氏(写真:陶山 勉)
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 主力商品として1億個以上を販売する「ブラックサンダー」は、1994年の発売以来、30円の価格を維持し続けている。この値付けは、子供向けの駄菓子をつくり続けてきた有楽製菓の「よいものをなるべく安い価格で提供する」という基本方針によるものだ。

 おこづかいを手にした子供が手軽に買える価格。最大のファンを裏切らぬ値付けを粘り強く続けたら、意外なところにファン層を広げることにつながった。そこには幸運もあった。だが、基本方針を貫き、安く、おいしく、食べ応えのある商品を提供してきた努力が実を結んだことも事実だ。

 ブラックサンダーの前身は「チョコナッツスリー」という20円の駄菓子である。とうもろこしを原料にした「コーンパフ」をチョコレートで包んでおり、サクサクとした軽い食感がウリだった。ブラックサンダーではコーンパフをクッキーに変更し、食べ応えを重視。お腹をすかせた子供が満足するように腹持ちが良く、重い食感のチョコバーとして開発した。

「ブラックサンダー」
「ブラックサンダー」
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 ただし、材料費がかさんだため、チョコナッツスリーよりも10円高い30円で発売することにした。実は、これでも安いのである。材料の原価を考えると、大手の製菓メーカーであれば、値付けは50円を下らなかっただろう。

 では、なぜ30円で売り続けられるのか。最大の違いは、主に商品プロモーションに掛ける費用だ。大手では、多額の広告宣伝費がコストとして価格に上乗せされる。有楽製菓の広告宣伝の基本は口コミだ。少ない販促予算でなるべく安く商品を届ける。その基本方針を貫いた結果が今につながっている。