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 アナログレコードと聞いて“過去のもの”と思ったら、その認識は間違っている。実はここ10年ほど、アナログレコードの売り上げは世界的に増えているのだ。もちろん、最盛期には比べるまでもないし、デジタル配信を含む音楽全体の売り上げから見れば微々たる割合にすぎない。それでも、アナログレコードの良さは着実に再評価されている。

 そんなアナログレコードの世界で、世界中の愛好家から絶大な支持を受ける企業が日本に存在する。レコードプレーヤーの交換針を約50年にわたってつくり続けてきた日本精機宝石工業だ。愛好家には、同社のブランド名である「JICO(ジコー)」の方が通りはいいかもしれない。

 同社の特徴は、基本的に“代替品”という位置付けにもかかわらず、独自技術で音質を改良した高級品までラインアップにそろえていることである。単なるコピーメーカーで終わらず、独自の地位を確立するに至った軌跡とは。(リアル開発会議)

 日本精機宝石工業は、さまざまなメーカーのレコードプレーヤー向けに交換針をつくっている。1本単位で注文を受け付けており、直近では1年間に17万5000本ほどを製造している。

 対象となるメーカーは国内外の約30社で、針の種類は2000種を超える。代替品としてのレコード針をつくっている企業はほかにもあるが、2000種類に対応できるのは日本精機宝石工業ぐらいではないか。

 2000種類といっても、全く異なる針がそんなにあるわけではなく、針先だけが異なるものも別の種類として数えている。レコード針は、針先の形状によって「丸針」「楕円針」「シバタ針」に大別できるほか、楕円針をベースにアナログレコードの音溝への追従性を改良した「S楕円針」もある。さらに、日本精機宝石工業では「SAS針」という独自開発の製品も提供している。SAS針はレコードに音溝を掘るときの針と同じ形状にすることで追従性を最大限に高めたものだ。このSAS針が非常に高い評価を受けている。

左から「丸針」「楕円針」「シバタ針」「S楕円針」「SAS針」。これらは、実物の針先を再現し たアクリル樹脂製の模型である
左から「丸針」「楕円針」「シバタ針」「S楕円針」「SAS針」。これらは、実物の針先を再現し たアクリル樹脂製の模型である
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 価格は一概にいえないのだが、例えばあるレコードプレーヤー向けの丸針が2500円だったら、SAS針は1万5000円ぐらい。だいたい5~6倍というイメージだ。それでも、良い音で聞きたい人が買っていく。