
英語力は必須条件
前編で紹介したように、今回のセッションに登壇した3氏は国際スポーツビジネスの最前線で活躍している日本人だ。彼らのように世界でスポーツビジネスに携わるために、日本人にとって必要になることは何か。岡部氏は「英語が話せないと、スタートラインに立てない」と指摘する。
「私は英ケンブリッジ大学の大学院で学びましたが、クラスでディスカッションをするとき、それをリードできる日本人はほとんどいませんでした。しかし、グローバルビジネスに携わる中では、マーケティング界の超有名人といわれるような人々とも議論することがある。そもそもの英語力がないと、そこにたどり着くこともできません」
岡部氏は「本来は人間力やスキルの方が重要」と話したが、そうしたものを発揮するためにも、まずは英語力を身につけることが必須条件であるようだ。
日本に求められるのは「高いブランド力」
一方、企業視点で考えたとき、日本企業が世界に打って出るために必要なのは「ブランド」であると岡部氏は説明した。
「UEFAは、UEFAチャンピオンズリーグでロゴやグラフィックスなどに徹底的にこだわり、ブランドをつくり上げてきました。チャンピオンズリーグが世界で人気なのは、もちろんサッカーの質の高さはありますが、ブランド価値の高さにも理由があります」(岡部氏)
ブランド価値を向上させるためには、「優れたデザイン」や「ストーリー」、その2つから紡ぎ出される「親和性」がカギになるという。そうした要素を持ったものは、自然に高価格になり、ハイブランドの確立につながると、岡部氏は話す。
「これまでの日本は安くて良いものを作ることに注力してきましたが、それだけではなくて、ブランド価値を高めることに取り組んでいかなければならない。日本ならばそれができると思います」
