人材登用の仕組みづくりが必須

 業務の属人化や、人づてによる採用は、全てに問題があるわけではない。前者は個人の専門性を高めることにつながるし、後者は採用のミスマッチを防ぐことができる。だが、それが続いてしまっては人材の幅は狭まるという大きなデメリットがあることも確かだろう。

 JHCやSHC、またJOC国際人養成アカデミーは一定の成果を出していると前述したが、それぞれの受講者が修了後すぐにスポーツビジネスの現場で働くことができているわけではないという現実もある。いずれの講座でも、継続的に修了後のフォローをしているものの、せっかく優秀な人材を育成できても受け皿が少ないままでは、将来的に先細りになってしまう恐れもある。そうした事態に陥らないためにも、育った人材を組織に登用できる仕組みをつくることは必須だろう。

村井 満(むらい・みつる)氏。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ) チェアマン。1959年生まれ。埼玉県川越市出身。1983年早稲田大学法学部を卒業後、同年4月日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。営業部を経て人事部に配属。2000年本社執行役員に就任。2004年にリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)代表取締役社長に就任。2011年にリクルート・グローバル・ファミリー香港法人社長、2013年に同社会長就任。サッカー界とのつながりはリクルートエージェント在籍時にプロサッカー選手のセカンドキャリアを支援。2008年日本プロサッカーリーグ理事に選任。2014年1月にビジネス界出身者として初めてのJリーグチェアマンに就任。Jリーグの人気回復とビジネスとしての基盤強化を中心とした改革に臨む。2016年3月に2期目を迎え現在に至る。日本サッカー協会副会長、日本プロスポーツ協会理事(写真:加藤 康)
村井 満(むらい・みつる)氏。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ) チェアマン。1959年生まれ。埼玉県川越市出身。1983年早稲田大学法学部を卒業後、同年4月日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。営業部を経て人事部に配属。2000年本社執行役員に就任。2004年にリクルートエイブリック(現リクルートキャリア)代表取締役社長に就任。2011年にリクルート・グローバル・ファミリー香港法人社長、2013年に同社会長就任。サッカー界とのつながりはリクルートエージェント在籍時にプロサッカー選手のセカンドキャリアを支援。2008年日本プロサッカーリーグ理事に選任。2014年1月にビジネス界出身者として初めてのJリーグチェアマンに就任。Jリーグの人気回復とビジネスとしての基盤強化を中心とした改革に臨む。2016年3月に2期目を迎え現在に至る。日本サッカー協会副会長、日本プロスポーツ協会理事(写真:加藤 康)
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2020年までにスポーツビジネス拡大の道筋をつけよ

 スポーツ庁は、2025年までに日本のスポーツ産業を15.2兆円という規模に拡大することを目指している。そのためにもスポーツビジネスに関わる人材の育成は欠かせないものだ。今回紹介したSHCや国際人養成アカデミーなど、実際に人材育成の仕組みも活性化している。だが、その一方で解決を急がなければならない課題もある。こうした状況を踏まえ、モデレーターを務めた髙橋氏はセッションの最後に次のように語った。

「日本のスポーツビジネス発展のためにはスポーツ経営人材の育成と、育った人たちが活躍できる場をつくらなければなりません。今、この流れはさらに広がっていこうとしています。ただし、もしも2020年までに流れが途絶えてしまうと、本当に取り返しのつかないことになってしまうのではないかと、個人的には感じています」

 2020年までに残された時間は多くないが、それまでにどのような動きが展開され、どのような人材が生まれてくるのか。スポーツビジネスに関わる人、そしてスポーツビジネスを志す人は大きな関心を寄せ、自らその取り組みの中に入っていくべきだろう。