時短で広告収入減少の懸念

 では今回の合意で、どのような短縮策が実施されることになったのか。まず今シーズンでは、マウンドに行ける回数がさらに減らされ、5回とされている。ただそれ以上に大きな影響を及ぼしそうなのが、攻守交代の時間をこれまでの2分25秒から2分に短縮するというものだ。

 9イニングで考えるとこの25秒の短縮によって1試合あたり425秒、7分強の短縮が図れる計算だ。ただ話はそう簡単ではない。攻守交代の時間はすなわち「CMブレイク」といわれるテレビ中継におけるCM放送の時間であるからだ。この枠が短縮されればそれだけ放送できるCMが減ってしまうことになり、担当放送局にとっては広告収入の減少につながる可能性がある。

 広告専門誌のアドエイジによれば、2018年6月30日にFoxが放送したボストン・レッドソックス対ニューヨーク・ヤンキースを例に取ると、この短縮で88万5000ドルの減収になるという。

 現在MLBとFox、スポーツ専門局のESPNは2021年まで全米テレビ放映契約を結んでおり、MLBは一方的にこの短縮を導入できなかったが、両局とも今回は受け入れた模様だ。ただ実際に減収となれば、2022年の契約更新時に条件などで影響が出るかもしれない。

 もちろんテレビ側もこうした短縮に手をこまぬいているわけではなく、投球の合間にフィールド上の映像を映しつつボックス型のウィンドウで6秒程度の短いCMを流したり、画面の隅に広告ロゴやアニメーションを表示したりと新たな広告手法を模索している。これまでのCM枠のようにトイレに立たれるなど画面から関心を外されることなく、広告を見てもらうなどの狙いもあるようだ。