スポーツ界でも求められるデジタル人材

藤本氏「ファンを作るためのマーケティング活動として、今はIT(情報技術)やデジタルの活用も一般的になってきています。スポーツ界もだんだん力を入れていると思いますが、具体的にどのような取り組みをされていますか」

リンク栃木ブレックスの藤本光正氏
リンク栃木ブレックスの藤本光正氏
[画像のクリックで拡大表示]

森野氏「デジタルのデータが何なのか、まずベースを作ることが大切だと思います。我々も会員データやチケットの購入データを持っていますが、それをしっかりとPDCA(Plan・Do・Check・Action)を回しながら、顧客関係を管理していかなければいけません。しかし、それがしっかりできているかと言えば、正直言ってなかなかできていない。ただし、データを持った上で特にターゲット層に分けて動員を考えるとき、どの層に何人来てもらうのか考える必要があります。すべてをマスで考えてしまうと大枠になってしまうので、その点は考慮しながらマーケティングをしています」

井川氏「デジタルマーケティングには当然取り組んでいますし、大切なことだとも思います。一方で、人の心に訴えることができるのがスポーツの一番の強みです。デジタルもアナログも、両方大切にしていくことが重要だと考えています」

大浦氏「私は転職サービスを扱っていますが、3年前、5年前に比べて明らかに変わったのが、デジタル人材やマーケティング人材がスポーツ業界でも求められていることです。実際、野球でも進んでいるチームは球団職員にも、データサイエンティストやデジタルマーケティングの専門家が増えてきています。それは時代の流れでもありますが、やはり井川さんがおっしゃったように、それだけではスポーツの面白さはなかなか伝わらないと思います」

 最後に、来場者に向けたメッセージや今後のスポーツ界で求められる人材像について、3者は次のように話した。

森野氏「自分の強みをどこに持つかというは、絶対に必要だと思います。その中でその強みをどう生かしていくか。転職によって可能性は広がっていきますが、そういった意識を持っておくと良いと思います」

井川氏「スポーツ界は華やかに見えるかもしれませんが実はすごく地味な仕事で、どの仕事もそうですが、大変な部分もあります。今、日本のスポーツ界はこれからもっと伸びていく環境にあります。一緒に日本のスポーツ界を盛り上げていけたらいいなと思います」

藤本氏「デジタルやITに強いというのは、ある種の特殊能力です。そういったデジタルの知見があって、なおかつスポーツに対する愛情がある、その両輪を持った人材が今後スポーツ界で求められるのではないかと考えています」