目標は、日本で視聴できる公式戦を網羅

――スポカレの公式戦情報は、どのように取得しているのですか。

俣野 チームが提供しているもの、公式媒体から得られるものなどさまざまですが、現在は約20競技、年間1万から2万試合をアプリに情報として入れています。

 基本的には、日本で観戦または視聴できる公式戦は全て網羅することを目指しています。

――スポカレを使うことで、ユーザーには具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

俣野 一つは「見逃しを減らす」ことができます。スポカレには自分が興味あるスポーツやチームの専用カレンダーを作る機能があり、それでリマインダーを設定することができます。例えば大谷翔平選手の試合を設定しておけば、「ライブでホームラン見たかったけれど見れなかった」という機会損失を減らすことができます。「見逃せない試合」を一覧でチェックできるので、これは便利です。

 もう一つは、ちょっと暇ができたり、今日は時間があるから何かスポーツを楽しみたいという時に、その日に行われる試合を簡単に一覧して探すことができます。

 基本的には、音楽配信アプリに近いものをイメージしています。音楽配信アプリは、使っているうちにパーソナライズ化され、自分が好きな音楽がトップページに出るようになります。同時に、お薦めの曲やアーティストも通知されたりします。スポカレは、その便利さや楽しさをスポーツの世界でも実現しようとしています。

 スポーツの既存の情報サイトは、誰に対しても同じような情報を提供していて競技別にタブがいっぱいあったりします。でも、実際には自分が好きなところしか見ず、そのほかの情報は邪魔に思ったりします。それをパーソナライズしていくことで、すぐに欲しい情報が得られ無駄が省けます。

――競技団体やチームにはどんなメリットがあるのですか。

俣野氏
俣野氏
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俣野 スポカレでは、自分が好きなスポーツやチームの情報が並ぶようになっていますが、その中にちょっと“ずれた”情報を差し込むようにしています。これも音楽配信アプリで既にユーザーにはおなじみの機能だと思いますが、これによって、それまで関心がなかった層を呼び込むきっかけになればいいと思っています。

 例えば野球ばかり見ていて、サッカーは見ていないという人にも、サッカーの日本代表が今盛り上がっているとか、海外からすごい選手がJリーグに入ってきたなどの情報が入ることで、スポーツを楽しんでもらう幅を広げるきっかけを提供しています。

――こうした機能を提供していく場合、レコメンドエンジンのようなものが重要になりますよね。

俣野 そうですね。レコメンドエンジンも手掛けながら、どんどん強化していきたいと思っています。

――俣野さん自身は、スポカレのプロデュースを通じて、何を得たいと考えていますか。

俣野 スポカレというアプリは、さまざまな競技団体とパートナーシップを組みながら作っています。こうした「オールスポーツ」でスポーツを楽しむ人を増やそう、という機会はなかなか得られないものです。色んな人と関わりを持ち、ステークホルダーを理解し、テクノロジー活用の経験を得ることもできると思っています。

――俣野さんが大事にしている考え方って何でしょうか。

俣野 自分が今持っているもので、どれだけ大きな世界で勝負できるか、レバレッジ(強化)できるかはいつもテーマです。スポーツを通じて得た経験を活かして勝負するのであれば、スポーツビジネスに学生のうちに飛び込むのが一番だろうと考えました。

 学生なのに、ビジネスの世界へ飛び込めたのには、自らの転校経験が生きています。違う環境に入っても、すぐ適応できるのはこの経験から来ています。

 今、スポーツほどレバレッジが効かせられる業界はないと思っています。この年齢・経歴でここまで大きい環境で勝負できる業界ってあまりない。これが自動車業界なら、なかなか難しいと思うんです。

――今後については、どう考えていますか。

俣野 「5年後がどうなるかわからない」というのが今のトレンドです。テクノロジーが指数関数的なスピードで世の中を変えていく中、これから50年間の自分の人生を就活で決めてしまうというのは意味をなさない。となると、常に今、どういう挑戦ができるのか、どういう成長ができるのか、どれだけレバレッジがかけられるのか。「今」を軸に考え、今の壁をどうクリアすることしか考えてません。

 「将来何になりたい」というような夢はないですし、将来像からの逆算も難しい。だから、今はなるべく自分のスキルを高めて可能性を広げることを考えています。