ミレニアム世代に注目

 レッドソックスでは「ミレニアム世代」にも注目している。社会人や学生でまだ子供のいない世代、ある程度自由にお金が使えて社会にお金を生んでくれる世代を、どう球場に取り込んでいくかを重視している。

 そこで始めた施策が「Student 9」だ。学生をターゲットとし、フェンウェイパークでの9ドルの立ち見券を発行。もし他の席が空いていた場合は、席がアップグレードされるといったサービスも付いている。このような施策でエンゲージメントを高めているという。

 吉村氏「個人的な意見ですが、デジタルやアクティベーションがあるなかでも、CSR (企業の社会的責任)は非常に大事だと思います。なぜなら、ターゲットとなるミレニアル世代が、ブランドの社会貢献活動を認知することで、自分の好むブランドを変える割合が高いというデータが出ているからです」

 「また、2013年4月にボストンマラソンでテロがあり、多数の犠牲者が出ました。米国ではシーズン中に選手がチャリティー活動や野球教室、病院訪問などの奉仕活動をしますが、2013年のレッドソックスは観測史上、最もそういった活動の回数が多かった。シーズン中は162試合を戦い、休みも月2回程度、練習など含めて1試合当たりの拘束時間も長い。そうした中で多数のチャリティー活動を行った選手たちの体は、そのシーズン、いちばんキツかったはずです」

 「それでもレッドソックスは勝利を重ね、2013年のワールドシリーズを制しました。2013年には、ファンもファンではない人も、被害者の方々やその家族、警察も、ボストンに関わる多く人々がレッドソックスを通して一つになった。スポーツが社会にもたらすインパクトがどれだけ大きいのか、スポーツにはものすごく力があることを改めて学びました」(同氏)