卓球のイメージを変えたい

T.T彩たまは吉村真晴選手や岸川聖也選手、鄭栄植(チョン ヨンシク)選手などを揃え、優勝候補の一角に数えられています。初年度のチーム目標を教えてください。

柏原 成績以外のところで言うと、ホームゲームの6試合は満員にしたいですし、間違いなく満員になると思います。サイデン化学アリーナとウイング・ハット春日部は2500人ほど、越谷市立総合体育館は3000人ほどの観客が入れる予定ですが、実際春日部での試合はチケットの売れ行きが好調で、スポンサー向けの招待席を用意しておかないとまずいと、焦るくらいです。

 チームの予算は2億5000万円ほどで、移動費なども含めると半分以上が選手の人件費です。それに対しての売上は、グッズ販売とチケット収入の分配金、それからスポンサー料です。初年度の売上はそれほどありませんが、卓球の潜在ファン層は相当あると思うので、応援してくださる方を増やしていきたいと考えています。そのためにファンクラブもスタートしています。

卓球は「するスポーツ」としては以前から高い人気がありましたが、「観るスポーツ」としての文化はあまり根付いていない印象があります。そうした状況で応援してくれる人を増やすには何が必要だと考えていますか。

柏原 卓球は、テレビで観る文化はあるんですよね。テレビ中継をすると視聴率も高いようですし、一度テレビを点けると最後まで観る割合も高いそうなんです。でも、生で観戦する文化はありませんでした。その文化を醸成していくためには、現地に来た方が新しくて楽しい体験をできる場を提供することが大切だと思います。

 T.T彩たまの場合、まずは試合会場で飲食を楽しめるようにしたいと思います。行政との調整などもあるのですが、実現できれば卓球の試合会場がデートや飲み会の選択肢に含まれるようになるかもしれません。卓球以外を目的に来たとしても、試合を観て応援するとハマると思うんです。実際、開幕戦には卓球を全く知らない方を招いたのですが、そういった方々もハマってくれていました。ただ先ほども話したように、卓球は現地観戦で応援する文化がなかったので、応援をリードするための仕掛けも用意しています。

 T.T彩たまでは観客の応援をリードするためにダンサーを公募し、「TERRA(てら)」というダンスチームを結成しました。アーティストのGIORGIO CANCEMI(ジョルジョ・カンチェーミ)さんに作曲を、ダンサーで俳優の宮河愛一郎さんに振り付けとオーディションの審査をしていただいています。「TERRA」のメンバーが観客をリードする形で応援していき、華やかさを演出したいと考えています。卓球ファンは20〜30代の層が少ないので、そういった若いファンを引き込んでいくことも狙っています。

「TERRA」のオーディション風景。ラテン語やイタリア語で「地球」という意味の言葉で、「世界に羽ばたくチーム」を目指して命名したという(C)T.T彩たま
「TERRA」のオーディション風景。ラテン語やイタリア語で「地球」という意味の言葉で、「世界に羽ばたくチーム」を目指して命名したという(C)T.T彩たま
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そういった華やかな取り組みは、これまでの卓球とは異なるイメージを演出できるように感じます。

柏原 昔は「卓球=暗い」というイメージもあったんです。だから、学生時代に卓球部に入っていたことを隠したり、今卓球をやっていることを公言しないという方も多いんですよね。だから私はそういう風潮を変えていきたいですし、Tリーグの開幕が良い影響を及ぼしてくれるのではないかと期待しています。そうすれば、若い人が卓球をやっている姿が街に溢れる風景を観られるようになるかもしれません。そのためにも、いままでやっていないことを全部やろうと思っていますし、それはクラブのみんなにも言っています。