スタジアムに毎試合、来てもらいたい

――コネクテッドスタジアムの狙いは何ですか。

村中 まず、スタジアムの入場者数を増やしたいと考えています。(サッカーの現場だけでなくインフラも)今季から「変わる」ということをアピールしていきたいと思っています。

 我々がシント=トロイデンVVの経営権を取得したのは、2017年11月です。2017~2018年シーズンの途中でしたので、昨季の監督や選手は自分たちで選んでいませんでした。途中から参画して、様子を見ていたのが現実です。今季は新監督を選び、コーチ陣も刷新しました。下部組織のスタッフも一新しました。選手も、一気に全員は入れ替えられませんが、7~8人を入れ替えています。(こうした現場とともに、インフラである)スタジアムも変わります。

 これまでは、強いチームと対戦するときはお客さんが多く入るのですが、弱いチームと対戦すると入りませんでした。対戦相手によって、入場者数が大きく左右されてしまうのです。そうではなくて、対戦相手が強くても弱くてもスタジアムに観に来てもらえるようにしたい。「スタジアムに来てくれる」というところをもっと訴求して、「(スタジアムに)来る価値」をもっと高めたいと思っています。

 シント=トロイデンの街の人口は約4万人です。そして、我々のホームスタジアムは1万5000人規模(改修後1万7000人規模になる予定)ですが、昨季の1試合の平均観客動員数は5000人くらいにとどまっています。それでも、強豪で上位のアンデルレヒトや、ダービーマッチとなるゲンクと対戦する試合ではほぼ満員になります。スタジアムに来られる人がいないわけではなくて、来ていないんです。来られるんです。(対戦相手によらずに集客できるようにして)平均値をどんどん上げていきます。

 そのために、スタジアムに色んな要素をそろえたい。何でもいいと思っています。コネクテッドスタジアムの設備はもちろん、ソフトウエアも重要です。いくら電子決済ができても、購入した食べ物が美味しくなければ、誰も買いません。中身も大事です。

――コネクテッドスタジアム化の進捗状況はいかがですか。

村中 事業の第1弾として、シント=トロイデンVV公式のスマートフォン(スマホ)アプリの開発を進めています。スマホで観戦チケットの事前購入や駐車場の予約、スタジアムでの飲食物やグッズの購入、配信動画の視聴といったコネクテッドスタジアムの機能を実現します。

コネクテッドスタジアムの概要(出所:DMM.comグループのプレスリリース)
コネクテッドスタジアムの概要(出所:DMM.comグループのプレスリリース)
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三川(トランスコスモス) 公式スマホアプリはもともとあったのですが、これを刷新し、6月に新版をリリースしました。さらにコネクテッドスタジアムの機能を追加し、2018年内には基本的なサービスのほぼすべてを開始する計画です。

 これと並行して、電子通貨の実証実験も進めます。スタジアムで利用するローカル通貨を電子化する取り組みです。なお、アプリはオランダ語、フランス語、英語に対応しています。日本語にも対応する予定です。