PR

 4つの資質に関係が深い脳の背外側前頭前野(DLPFC)は、脳のさまざまな場所から感覚的、概念的な情報を取り込んだ上で、扁桃体で生まれる不安や悲しみ、自己嫌悪、恐怖といった負の感情とバランスを取りながら、判断や意欲、興味をつかさどっている(図2)。この領域の脳神経のネットワークは25歳ごろには固定され、その後は大きくは変化しないと考えられている。

図2 客観的視点を生み出す前頭前野
図2 客観的視点を生み出す前頭前野
[画像のクリックで拡大表示]

 仕事の内容(インプット)がいろいろと変わっても、脳で処理されて出てきた仕事の成果(アウトプット)が「いつも的を射ている」人もいれば「いつも的外れ」の人もいる、と感じたことはないだろうか。これは、その人の固定された思考回路(脳神経のネットワーク)が大きく影響している。

 25歳を超えた人は、固定化した脳神経のネットワークを短期のトレーニングで変えることが難しい。そうである以上、25歳を超えた人を採用する場合には、人を動かすための4つの資質を既に持っているかどうかを見極めて発掘することが肝心となる。これが、イノベーションに果敢に挑戦する人材を確保するために必要な、最も基盤となる前提だ。

 以下、4つの資質を順番に見ていく。

大久保孝俊(おおくぼ・たかとし)
1983年3月住友スリーエム(現スリーエム ジャパン)に入社。1987年7月、米3M社メモリーテクノロジーグループ研究員。1999年10月、山形スリーエム(現スリーエムジャパンプロダクツ山形事業所) デコラティブ・グラフィックス技術部長。2003年9月、米3M社アジア・太平洋地域担当シックスシグマ・ダイレクター。2005年6月、米3M社コーポレートリサーチ研究所技術部長などを歴任。2016年8月から現職。