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世界初の「海上遠隔医療」

 2016年の遠隔医療予算は、保健福祉部以外の省庁も申請する見込みだ。既に2015年度も、保健福祉部以外で計91億ウォン(約10億円)以上の予算が遠隔医療に投じられた。その内訳は、国防部が進めている兵士を対象にした遠隔医療事業、海洋水産部が進めている遠洋船舶の乗組員を対象にした海上遠隔医療事業、法務部が進めている刑務所受刑者の遠隔医療実証実験などである。

 韓国内で遠隔医療の是非に関する議論が続く中、海洋水産部が進めている海上遠隔医療事業は「特殊な環境での遠隔医療」として医師会の反対なく認められた。2015年10月6日には実証実験の準備に着手した。

 海上遠隔医療事業は、1年以上の長期にわたって洋上にいる乗組員の勤労環境改善や健康管理のための医療サポートを目的とする。釜山大学病院内に遠隔医療システムを構築し、病院と船舶をつなぐ。通信には衛星通信を利用。遠隔医療の実施に伴い、船内医療管理者を養成する体制も整える。

 乗組員は乗船前に健康診断を受け、船内では血糖値や血圧といった健康状態を定期的に測定して記録する。そのデータが病院に送られる。船舶内には乗組員の健康データを保存し転送、照会するシステムとテレビ電話を設置。病院側は乗組員の健康状態をモニタリングし、必要に応じて遠隔で診察する。

 医師の指示で船員らが救急処置を行い、船内にある医薬品を使う。医師は乗組員の健康状態から前もって必要になりそうな医薬品を処方し、服薬指導も行う。乗組員が陸に戻ってきたら、航海期間中の遠隔診療のデータを基にもう一度診療し、適切に処置する。非常に基礎的な内容の遠隔診療であり、健康モニタリングではあるが、海洋水産部は「海上遠隔医療は世界初の試み」だと宣伝している。