オープンソースのARヘッドセットを活用

 ワントゥーテンが今回の開発に当たって採用したのが、米Leap Motion(リープモーション)が設計図をオープンソースとして公開しているARヘッドセット「Project North Star」だ。こちらを基に独自に改良を施した。

 Leap Motionは、ユーザーの手の動きをトラッキングしてジェスチャーでコンピューターに入力する機器を開発する。Project North Starでは、おでこの部分に手の動きを認識するデバイス(赤外LEDとステレオカメラで構成)が組み込まれている。

 今回、改良を施したのは、レンズ(リフレクター)に情報を投影するためのディスプレーだ。ARヘッドセットの内側にはディスプレーが左右2個搭載されており、ディスプレーに表示した情報をハーフミラーのレンズに投影する仕組みだ。

 ただし、Leap Motionが定めた仕様ではディスプレーの解像度は「1600×1440ドット」となっているものの、「現時点でこの仕様にかなうディスプレーが生産されておらず、多くの場合、片目で480×320ドットのRaspberry Pi用の小型ディスプレーを使っている」(齋藤氏)。

 同社が検証したところ、この480×320ドットという解像度では、レンズに情報をくっきり表示するのに不十分だった。そこで2個を使って両目で2160×1200ドットの解像度を実現できるディスプレーを調達し、検証・最適化を施して視認性を高めたという。

ARヘッドセットを後方から見たところ。目の前のブルーのレンズの手前に、ディスプレーが設置されている。これを高解像度化した。ARヘッドセットの設計図はオープンソースなので、今回開発した本体のデータとテストプログラムをソフトウエア開発プラットフォームの「GitHub」上で公開する予定
ARヘッドセットを後方から見たところ。目の前のブルーのレンズの手前に、ディスプレーが設置されている。これを高解像度化した。ARヘッドセットの設計図はオープンソースなので、今回開発した本体のデータとテストプログラムをソフトウエア開発プラットフォームの「GitHub」上で公開する予定
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 このARヘッドセットの上下視野角は100度以上と広く、スポーツ観戦に向いている。ちなみに米マイクロソフト(Microsoft)が開発し、スポーツ界からも注目されているMR(複合現実)ヘッドセット「HoloLens(ホロレンズ)」の上下視野角は35度と狭い。

 さらにレンズはオーダーメードで、試合会場の明るさに合わせた透過率に調整できる。ARヘッドセットの筐体(きょうたい)は、オンデマンド生産に対応できるよう、3Dプリンター向けに設計を最適化しているという。