普及に必要な「スタンドアローン化」

 ワントゥーテンは開発したARヘッドセットを、スポーツ中継を手掛ける放送事業者や通信事業者に提案するとしている。ただし、今回の開発品はプロトタイプ段階で、実用化の具体的なスケジュールは「まだ見えていない」(同)という。

 こうしたARヘッドセットが将来的に実際のスポーツ観戦の場で広く使われるようになるには、幾つかの改善が不可欠になる。ARやVRの課題は、ヘッドセットを装着する負担をユーザーに強いることで、この負担を極力軽減する必要がある。例えば、開発したARヘッドセットの重さは単体で約600g。試合中、数時間着用し続けることを前提にすると、軽量化は不可欠といえる。

 「スタンドアローン化」も重要だ。現状ではARの情報処理にグラフィックス処理能力が高いゲーム用パソコンが必要で、ヘッドセットをケーブルでパソコンと接続している。これでは使い勝手が悪く、スポーツ現場への導入は難しそうだ。同社は5Gの実用化と、スマホの高性能化によるパソコン代替に期待しており、これらが実現すればスタンドアローン化への道筋が見えてくる。