―― グローバルなビジネス展開を考えると、スポーツは強力なコンテンツになり得ると思います。スポーツ関連の事業を手掛けるに当たって、そうした期待はありますか?

金子 例えば、ツール・ド・フランスでは、グループ会社のディメンション・データ社(南アフリカ)がフランスで契約を獲得して、ICTの提供につながりました。GPSスティックでリアルタイムに取得した全198選手の位置データを活用する取り組みで、IoT(モノのインターネット)を用いたスポーツの面白さを提供できたと思います。

 この取り組みは、NTTグループが通信回線やデータセンターのようなインフラ事業だけではなく、IoTの応用で様々なことができるという認知の向上にひと役買いました。スポーツ関連の事業をきっかけに、海外の情報が集まるようにもなっています。

大西 スポーツ関連ビジネスの取り組みを本格化した3年前に比べると、日本国内の自治体やスポーツ協会も「ICTでできること」の知識が増えてきています。この3年間、いろいろと活動してきたことが結実してきているのかなと思っています。

 3年前は、海外の事例を説明しても「へぇ〜、そんなのあるんだ。でも日本じゃねぇ…」という反応でした(笑)。今は、スポーツのICT活用が日本でも受け入れられるのではないかという実感が国内スポーツ関係者にも広がっています。どんどん実践の場を増やしていければ、これからさらに広がっていくと思っています。

上野 直彦(うえの・なおひこ)/スポーツジャーナリスト
上野 直彦(うえの・なおひこ)/スポーツジャーナリスト 兵庫県生まれ。早稲田大学スポーツビジネス研究所・招聘研究員。ロンドン在住の時にサッカーのプレミアリーグ化に直面しスポーツビジネスの記事を書く。女子サッカーやJリーグも長期取材している。『Number』『AERA』『ZONE』『VOICE』などで執筆。テレビ・ラジオ番組にも出演。初めてJユースを描いたサッカー漫画『アオアシ』で取材・原案協力。構成や編集に協力した書籍に『全くゼロからのJクラブのつくりかた』(東邦出版)、『ベレーザの35年』(ベレーザ創部35周年記念誌発行委員会)、『国際スポーツ組織で働こう!』(日経BP社)、著書に『なでしこのキセキ川澄奈穂美物語』(小学館)、『なでしこの誓い』(学研教育出版)がある。NewsPicksで「ビジネスはJリーグを救えるか?」を好評連載中。Twitterアカウントは @Nao_Ueno