慶応大学で行われたのは、一次選考を通過した優秀作品五つの最終選考だ。5組の開発者たちは、6人の審査委員を前に自ら編み出したアイデアがいかに優れているかをアピール。会場には、最終選考に残らなかった開発者たちも見学に訪れ、行方を見守った。

選手が試合で走った距離をランニングで追体験

写真●ランニングを支援するもので、選手が実際に試合中に走った距離をランニングの目標にできる
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写真●ランニングを支援するもので、選手が実際に試合中に走った距離をランニングの目標にできる

 「完成度が高く、バランスの良さもダントツ。一同が高い評価を下した」。審査委員の一人、コロプラの馬場功淳・代表取締役社長がこう評したのが「サポラン」と呼ばれるスマートフォン向けアプリである。開発したのは、米村俊亮さん。満場一致で最優秀賞に決まったという。

 「公開してくれたデータを生かせば、サポーターたちをランニングに夢中にさせられるのでは。そう考えた」(米村さん)。選手が実際に試合中に走った距離をランニングの目標に据え、楽しみながら毎日走り続けてもらおうというアイデアである。

 利用者は、まず応援するクラブの好きな選手を選ぶ。すると当該選手の走行距離が表示され、その距離を1週間かけてランニングで消化するプログラムが自動的に組まれる。後は毎日、走るだけだ。

写真●目標を達成すると選手にメッセージを送るなどの工夫も凝らした
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写真●目標を達成すると選手にメッセージを送るなどの工夫も凝らした

 米村さんは「サポーターはスタジアムでは選手と一体となって戦っている。サポランによって、試合がない日も選手と一緒になって戦う気分を味わえるはず」と利点をアピールする。無事消化し終えると選手にメッセージを送ることができるなど、モチベーションを維持する工夫も随所に凝らした。

 コロプラの馬場社長は、「なにより楽しく健康になる。ランニングをしないサポーターを健康に導くきっかけも作るものだ」と期待を寄せる。米村さんによると、ランニングが趣味のサポーターは96万人止まりだが、ランニングをしないサポーターは1101万人におよぶという。こうした可能性の広さも評価した。