リオ五輪について38個だと予測した内訳は、金が12個、銀が12個、銅が14個というもの。獲得数の順位は9位。前回のロンドン五輪は合計38個(金7個、銀14個、銅17個)で11位だったので、順位は2つ上がる可能性があるとVMTははじく。

ソチ五輪の番狂わせもズバリ的中

 スマック氏はVMTの分析手法の一端をこう説明する。「世界中で開かれる五輪出場資格試合の結果について、過去4年間を対象に抽出。その上で競技の重要性や試合の開催時期を考慮して重み付け、最終的に独自アルゴリズムで予測する」のだという。

 見逃せないのが、各国の代表選手や候補となる選手一人一人のレベルに落とし込んで分析している点だ。選手のコンディションの浮き沈みも、数年間に渡って蓄えたデータから読み解けるため、五輪開催時点で選手が勝負強さを発揮できるかどうかも予測に織り込める。

 分析の正確さを証明するエピソードがある。2014年のソチ五輪では、二人の大物選手が金メダルを逃す「番狂わせ」が話題を呼んだ。スピードスケート10キロメートルに出場したオランダのスベン・クラマー選手、そしてスノーボードハーフパイプに出場した米国ショーン・ホワイト選手だ。

 VMTは2人が金メダルを逃すと予測していただけでなく、実際に金メダルを獲得した選手の名前までピタリと当てているのだ。

写真●リオ五輪の予測では、アジアの国や地域が躍進する可能性が高いという結果が出た(提供:グレースノート日本法人)
写真●リオ五輪の予測では、アジアの国や地域が躍進する可能性が高いという結果が出た(提供:グレースノート日本法人)
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 次のリオ五輪で金メダルを獲得するであろう日本人選手のリストを、スマック氏にみせてもらった。男子体操の内村航平選手、女子レスリング63kg級の伊調馨選手、女子レスリング55kg級の吉田沙保里選手、男子水泳の萩野公介選手などが有力だという。

 種目別にメダルを獲得する数でみると、柔道は12個、水泳は10個、体操は5個。その他、フェンシング、シンクロナイズドスイミング、卓球、テコンドーなどでメダリストが生まれる公算が高いとする。

 実は3月上旬の時点では、39個とVMTは予測していた。ただ「なでしこジャパン」の愛称で知られる女子サッカーが最終予選で敗退し、五輪出場を逃したことから「マイナス1」とした。出場していればメダルの可能性が高かったとVMTは予測していただけに惜しい話である。