日本野球機構も導入検討

 「今日はもう少し盛り上がった場面で回転させる数を増やそうか」。ディレクターとオペレーターの間でそんなやりとりが交わされ、連携の体制が固まってきたころに、日本シリーズの第5戦でホークスの優勝が決定してしまった。「できればあとの2試合(ヤフオクドームでの第6~7戦)を放送したかった」と振り返るNHKの寺沢氏は「来シーズンもできるだけ導入できるように検討する」と意気込む。データスタジアムも「今回はいい事例ができた。来シーズンに向けて他球団への展開も進めたい」(須山氏)と話す。

 技術や戦略のきめ細かさは世界でもトップレベルと言われる日本のプロ野球。これまで立ち遅れていたデータ解析を取り入れ、選手や審判の技術向上に活用すればメジャーに迫る実力への底上げも夢ではない。何よりも、これまでにない野球の楽しみ方をファンに提示できるというメリットは大きい。

 試合運営の問題を議論する日本野球機構(NPB)主導のゲームオペレーション委員会が、審判の技術向上のためにPITCHf/xなどの「トラッキングシステム」について導入の検討を始めたという報道もある。導入の判断を各球団に任せるという消極策に陥ることなく、球界トップの主導による迅速な変革を期待したい。