取得できるデータの種類は多い。サーブのスピード、スイングの種別(フォアハンド/バックハンド)、ストロークにおけるボールのスピードや回転、コート上のボールの着地点やネットを越えた高さ、など。さらに選手の走行距離や消費カロリーも算出する。

SmartCourtの画面例
SmartCourtの画面例
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 キオスク端末は試合中、スコアボードとして使えるほか、まるでプロの試合のようにボールがインか、アウトかという「ライン判定」もしてくれる。PlaySight社によると、ライン判定の精度は約95%。吉田氏は「現状、精度についてはまだまだ調整が必要だが、使っていくうちにアジャストすると聞いている」と話す。

脱・感覚頼みのコーチング

 SmartCourtはテニスの練習を、“感覚”から“理論”の世界に変える。

 例えば、ストロークの練習中にプレーをいったん止めてビデオやデータをチェックしたり、プレーの3D映像を自分の好きな角度から見て修正点を確認したりできる。「選手には(ミスを防ぐために)ネット上の高い位置にボールを通せとよく言っているが、口で言うよりもボールの軌道を実際に見せることで選手がいいショットのイメージを持ちやすくなる。ビデオだとどうしても感覚頼みのコーチングになるが、理論に基づいたコーチングが可能になる」(吉田氏)。

左上はキオスク端末でビデオを確認している様子。ほかは端末の画面(スタッツやボールの着地点などを表示)(写真:PlaySight社)
左上はキオスク端末でビデオを確認している様子。ほかは端末の画面(スタッツやボールの着地点などを表示)(写真:PlaySight社)

 キオスク端末が取得したデータは自動でPlaySight社のクラウドに送られ、どこにいてもスマホやタブレット端末でプレー映像やデータを確認できる。米国にいるコーチが日本で練習中の選手に指示を出す、という使い方もできる。

あなたは世界何位?

吉田記念テニス研修センターでのSmartCourtのコーチ研修の様子(写真:吉田記念テニス研修センター)
吉田記念テニス研修センターでのSmartCourtのコーチ研修の様子(写真:吉田記念テニス研修センター)
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 SmartCourtはイスラエル発の多くのサービスと同様、軍事技術を基盤としている。

 2011年に、もともとイスラエル空軍に所属していたChen Shachar(CEO)、Yoram Bentzur、Evgeni Khazanovの3氏が共同でPlaySight社を創業した。空軍で戦闘機の操縦士のトレーニングに使われる、3D視覚化技術を応用したという。

 SmartCourtは2015年10月時点で、欧米を中心に世界で15カ国以上、200台以上が設置されている。この“世界に散らばっているセンサー” から、日々プレーヤーのデータをクラウドに蓄積しており、PlaySight社はその一部を「リーダーボード」として同社のサイトで公開している。