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本記事は、エレクトロニクス実装学会発行の機関誌『エレクトロニクス実装学会誌』Vol.19 No.3に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するにはエレクトロニクス実装学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(エレクトロニクス実装学会の「入会手続きについて」へのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(エレクトロニクス実装学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。『エレクトロニクス実装学会誌』の最新号はこちら(最新号目次へのリンク)。

はじめに

 LSI製品はムーアの法則に従い微細化、大規模化が急速に進展し、テストは常に課題であり続けている。その解決のため、これまで、テスト容易化設計や自動テスト生成など、さまざまなテスト技術の研究・開発が行われてきた。しかし、製造欠陥の複雑化・多様化が進む一方、従来型のテスト手法の改良は飽和点に達しつつある。このため、新たな取り組みとして、データマイニング技術を活用したテスト手法が注目されるようになり、LSIテストに関する学会などにおいても多くの論文が発表されている1)。本稿では、半導体業界に浸透しつつある、ビッグデータを活用したLSIテスト技術の概略について述べる。

1. 近年の課題

 過去数十年にわたるLSIテスト技術の研究開発により、テストの効率、能力は進化したものの、全ての故障を検出できる技術には到達していない。例えば、プリミティブ素子の故障モデルでは、故障が測定できることが前提であるため、故障がある一定時間経過後に顕在化するような潜在故障を扱うことが難しい。Iddqや分布外れテストは、それを補う手法であるが、故障以外にもさまざまな要因が測定に影響を及ぼしており、テストの基準の設定が難しい。

 潜在故障は、時間が経過するとともに、自身が悪化、または他の故障を誘発するなど影響が拡大し、顕在化していくため、バーンインなどの加速試験は有効であるが、長時間のテストを要することや、近年の製造プロセス微細化により加速が困難になってきているなどの課題がある。

 このように、従来の手法をベースとした技術が飽和しつつある中で、大量に存在するテストデータに着目し、データマイニングの手法を適用することで、課題を解決しようとする研究開発が、近年活発化しており、LSIテストに関する最大の国際会議であるITC(IEEE International Test Conference)をはじめ、多くの研究成果が発表されるようになった2)~9)。以降の節では、このようなLSIテストへのデータマイニング技術の活用について最近の論文を紹介しながら解説する。