電気の「売り」「買い」にも応用
電力分野においては、ブロックチェーン技術により、電力会社という中央管理者が不要な(もしくは最小の機能を残した)送電網ネットワークの構築が模索されている。
高効率・大規模発電所で発電した電気を多数の需要家が使うというシステムが、需要家自身が供給者であり、需要家でもあるような分散型システムへ転換可能になるということだ(図2)。
ブロックチェーン技術の注目すべき点はいくつかあるが、家庭という最小単位で、相互に、電力の売りと買いができる点にある。いままで、電力会社から買うしかなかった電力取引であるが、近所の人との取引が実現できる点が相違点である。
例えば、「電気が余ったので売りたい」と考えたときに、いまは電力会社へ売ることしか選択肢はない。しかし、分散型ネットワークが構築されていれば、様々な需要家へ電気を販売することが可能となる。
取引は一般に多数間売買で行われた方が、情報の非対称性がなく、公正価値で行われる確率が高い。つまり、分散型ネットワークは電力取引の公平化に寄与することができる。