太陽光電気の価値とは?

 買取価格を考えるにあたって、太陽光発電設備由来の電気の本質的な価値を考えてみる。太陽光発電の電気の特徴としては、以下の3つである。(1)電気である、(2)CO2を排出しない電源、(3)30分単位で前日に計画した(安定した)電気供給(調達)が出来ない。

 まず、太陽光の「電気の価値」について考えてみる。電気の価値は、電力卸売市場(JPEX)にて値段が付いている。一般電力会社を含めて、いまは日本のほとんどの電気はここの市場を通じて取引がされるようになっている。したがって、この市場価格を見れば日本の電気の価格を知ることができる(図4)。

図4●卸電力市場での電気の価格(2018年7月25日・JPEXシステム価格)
図4●卸電力市場での電気の価格(2018年7月25日・JPEXシステム価格)
(出所:JPEXホームページ)
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 したがって、太陽光発電の電気も市場価格で売れることができるのだが、JPEXの取引は主に前日に約定するため、売り手は確実に電気を発電する必要がある。太陽光発電の電気は、予測通り発電しないことがあるため、その分割り引いて考えなければならない(詳しくは後述)。

 次に「非化石価値」についてはどうか。太陽光発電の電気は、CO2をほとんど排出しないことになっている。電力小売会社は、エネルギー供給構造高度化法において、2030年度までに販売する電気の非化石電源比率を44%以上にすることを義務付けられている。したがって、この非化石価値に値段が付く。この値段は、非化石価値市場で値付けされている。最近は、1.3円の下限で張り付いているようだ(図5)。

図5●非化石価値の値段
図5●非化石価値の値段
(出所:JPEX資料)
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 3つ目に安定性の観点から電気の価値を考えてみる。太陽光発電の電気は、安定供給が難しいため、火力発電などの調整力が不可欠である。よって、この調整力の確保に必要なコストを、太陽光発電の電気の価格に織り込む必要がある。つまり、太陽光発電の電気は、調整力確保のコスト分だけ価値が低い。そのためJPEXの値段からそのコストを差し引いて考える必要がある。