O&Mと同等のコストも

 不動産業界ではアセットマネジメントのほか、「プロパティマネジメント(Property Management)」といった用語も使われる。不動産業界では、プロパティマネジメントは、テナントの管理、募集業務、資金回収と報告書作成などのサービスを意味する。

 それに対して、アセットマネジメントは個別の資産管理ではなく、ポートフォリオの中身を含めた資産全体の投資リターンの最大化を含めた業務である。テナントの募集や管理という業務負荷が高い不動産業界では、プロパティマネジャーとアセットマネジャーの業務に大きな違いがあり、それぞれ重要な役割を担う。

 一方、太陽光発電設備や風力発電設備の場合には、電力購入契約(PPA)があらかじめ、長期で締結されているケースが大半であり、テナント募集という業務が不要という特徴がある。したがって、アセットマネジメント業務とプロパティマネジメント業務を分ける必要がなく、再エネ業界ではプロパティマネジメント業務を含んだアセットマネジメント業務が一般的なのかもしれない。

 アセットマネジメントが導入される背景には、太陽光発電設備ストックが36GWを超え、MW当たり3.5億円で換算した場合、12.6兆円もの資金が太陽光発電設備に投下されていることがある。今後太陽光発電は70GW程度まで増えるとの予想があるため、資金としても12兆円の2倍、20兆円を超える資金がこれから投入されるだろう。

 これら大金を投じて建設したインフラ設備を効果的かつ効率的に運用することが、長期的には再エネ電気の普及につながる。

 上場インフラファンド第1号のタカラレーベン・インフラファンドの有価証券報告書では、ファンド管理にかかった費用約7000万円が資産運用報酬・資産管理・一般事務委託手数料として計上されている。これは営業収益の6%程度を占める。O&M費用は売電収入の約5~10%なので、同じくらいのコストがかかる、ということかもしれない(ファンドの営業収益は売電収入とイコールではないので、必ずしも正確でない)(図2)。

図2●タカラレーベン・インフラファンドの有価証券報告書
図2●タカラレーベン・インフラファンドの有価証券報告書
(出所:タカラレーベン・インフラ投資法人IR資料)
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