「与信リスク」の必要性はパネルメーカーだけでない

 現在、田淵電機のPCSには1年間のメーカー通常保証がついており、別途有料延長保証10年がある。目下の関心事は、これらの保証が無効とならないのか。IR情報では「一般取引先には影響が及ばない」と言及されているとおり、ユーザーへのこれらの債務は保護されたとしても、PCS事業を継続し、実質的にこれから20年間、アフターサービスのレベルを維持していけるかがポイントとなる。

 例えば、故障かどうか不明なときにメーカーに問い合わせできなくなるリスク、増設やパネル交換、ストリング数変更など仕様変更をするときにPCSとして許容できる変更かどうかの確認できないなどのリスクを考えると、PCSは機能の良し悪しもだけでなく、会社 自体の与信も重要ということが教訓だ。

 今まで太陽光パネルメーカーの与信リスクは重要視されてきたが、PCS、架台、監視システム、キュービクルなどの要素についても、メーカーの事業継続リスクを考えて調達方針を定めるべきであろう(図2)。

図2●田淵電機は業績不振を受け、「事業再生ADR制度」の利用を申請した
図2●田淵電機は業績不振を受け、「事業再生ADR制度」の利用を申請した
(出所:田淵電機IR資料より筆者抜粋)
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