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「メザニン」には複数手法

 メザニンファイナンスは、融資(ローン)と資本出資(エクイティ)の中間の資金調達手法である。よって、メザニンには、融資とエクイティの要素をそれぞれ備える形で、いくつかの手法がある。

 議決権はないが優先して配当を受けられる「優先株式」の発行は、エクイティファイナンスの形態として活用されているが、SPC(特別目的会社)に対する資本出資はあまり一般的な方法ではない。それに対して配当や元本返済の自由度の高い匿名組合が利用されている。

 しかし、匿名組合は不動産特定共同事業法によって事実上、土地取得に制限が課せられていることから、SPCにて土地所有権を取得できないという不便さがある。それを回避する方式としてTMK(特定目的会社)スキームや信託方式があるが、スキームを維持するコストが増えるのが欠点である。

 それに対して匿名組合の代わりに劣後ローンを活用する方法も利用されつつある。投資家利回りが低下し、融資上限金利15%以下の配当しか見込めない状況下では、損金算入可能な利息形態の投資家還元、不動産特定共同事業法の対象とならないメリットが生かせる。

 シニアローンの返済までは元本返済が出来ない特約を入れておけば、レンダー(融資を提供する金融機関)としても、DSCR(Debt Service Coverage Ratio=デット・サービス・カバレッジ・レシオ)値の算定上、資本類似の資金として扱うことができる(図3)。

図3●メザニンファイナンスの位置づけ(出所:筆者作成)
図3●メザニンファイナンスの位置づけ(出所:筆者作成)
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